内容説明
家庭・学校・地域のなかに安心できる居場所をつくろう!多摩川(タマリバー)のほとりで、こだわり続けた「ともに生きる場」。公設民営の「フリースペースえん」が生まれるまでの15年。子どもとかかわるすべての人たちへ―。
目次
1章 子どもとの出会いがきっかけ―場を開く(ぼくもうおとなになれない;ママ、怖い、とめて! ほか)
2章 自分でつくるプログラム―「この指とまれ」で仲間をあつめる(フリースペースでの暮らし;「この指とまれ」とミーティング ほか)
3章 こだわりつづけた「居場所」のスタイル―場をつくる(「たまりば」という名にこだわる;立ちはだかっていた「経済」の垣根 ほか)
4章 「子育て」で大切なことってなに―「世間の常識」を問う(ペットになりたい;それって常識?非常識?―気になる世間の目と他人の評価 ほか)
5章 居場所を生みだす「まなざし」―手に入れたい一五の心得(ともに生きる場―一人ひとりがそのつくり手;一緒にいるよ ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちう
4
「寄り添う」という言葉を良く聞くが、果たして本当に寄り添える人がどれだけいるのだろうか?少なくとも僕は「寄り添える人」を見たことが無い。自己満足や評価の為に綺麗ごとを言う人は沢山いるのだが・・・。また、僕の人生の中で、学校の「先生」と呼ばれる人たちを尊敬したことが一度も無い。自分や学校の都合でしか生徒を見ず、何が「先生」なのか?と思っていた。ただ、本書の中に「本物」が居た。苦悩し葛藤し、とことん人間と真剣に関わってきた人だ。だからこそ、言葉が重く、心が揺さぶられる。心の底からから尊敬する人に出会えた。2021/05/13
kyouikufs
4
恩師の友人からの紹介。「ひとが成長していくには、ボーッとできる時間が大切だったんだと、つくづく思う。ふり返ってみると、ムダに過ごしてしまったかのように思える時間のなかに、たくさんの発見や気づきがあり、必要なエネルギーと充電していたのだと気づかされる」本書は、「たまりば」といわれる子どもたちの居場所づくりを一貫して創ってこられた筆者の思いを綴ったものです。昨今の教育は「成果」の速効性が求められ、政治的な意図があるように思えます。ちょっと立ち止まって、この「たまりば」の実践から学ぶことも必要だと思います。2014/03/22