目次
第1章 言論・表現の自由に赤信号(立川で反戦ビラ入れ事件;「住居侵入罪」というが?;家宅捜索から逮捕へ ほか)
第2章 ミュンヘンに「白バラ」を追跡(1983年の夏に;ハンス24歳、ゾフィー21歳;昭和18年の日本では ほか)
第3章 力強いひとつの言葉に(ゾフィーのラブレター;映画「白バラの祈り」の余波;ゾフィーの勇気とやさしさ ほか)
著者等紹介
早乙女勝元[サオトメカツモト]
東京・足立区に生まれる。戦争と貧困の中で、働きながら文学を志す。東京空襲を記録する会の推進力となり、東京大空襲の語り部となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Nobuko Hashimoto
26
「白バラ」はナチを批判したビラと、その活動グループの呼称。ショル兄妹ら活動家たち(大学生や教授など)は1943年に死刑となった。82年、05年に映画化。本書は、82年の映画に衝撃を受けた早乙女氏による83年夏のミュンヘン取材記と、2008年に立川市の防衛庁宿舎にビラを投函した市民団体メンバーが有罪判決を受けた事件とをサンドイッチにした構成。白バラの方は他の文献の方が詳しいが、立川の事件と比較することで今日的な視点が加わっている。カラー写真がないのは残念だが、ショル兄妹の遺族への直接取材あり。2019/06/06
扉のこちら側
8
初読。1943年、反ナチスのビラを撒き、大逆罪で斬首刑になったショル兄妹(24歳と21歳)。彼らの短いが歴史上重大な抵抗運動が解説されている。日本における反戦ビラ入れ事件(防衛庁宿舎に自衛隊のイラク派遣反対のビラを入れた市民団体が逮捕拘留された。2008年、最高裁判所にて罰金刑確定)についても触れられている。2012/08/12
ミネチュ
2
本のタイトルは「「白バラ」を忘れない」ですけど、私は「白バラ」より立川の事件の話の方がショックでした。2004年に自衛隊の海外派兵に反対する人たちが自衛隊官舎の郵便受けに反戦ビラを入れたら、住居侵入罪で有罪になったという事件。そんな恐ろしいことがあったことすら知りませんでした。2019/01/20