大学危機と非常勤講師運動

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  • サイズ A5判/ページ数 270p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784876474691
  • NDC分類 377.13
  • Cコード C0037

内容説明

非常勤講師とは、普通、1年契約のパートタイマー大学教員を指します。特に本務校のない専業非常勤講師の場合、授業用書籍・資料の購入はすべて自己負担、期末手当・退職金なし、保険加入等の身分保障もなく、病気となれば使い捨てで、その処遇は街のパートタイマー以下の差別的・非人道的扱いなのです。研究室がないうえ、授業が終わると次の大学の授業に直行しなければならないので学生と話す時間がない等、教育にたいするマイナス面が大きいことも重大です。昨今の大学危機の中でしわ寄せをまっ先に受けているのも専業非常勤講師で、その多くが女性、若者、外国人たちです。しかし、今や各地の非常勤講師が労働組合に結集し、情報を交換し、権利を要求し始めました。本書では、それらの人の姿や訴え、学生、父母の声を紹介します。また、このように非教育的・非人道的な制度が日本の教育史の中でどうして生まれたのか、そして非常勤講師が目指す運動は何かも語られます。

目次

第1章 総論 日本の非常勤講師制と「大学問題」(非常勤講師制度とはなにか;専業非常勤講師は日本にどのくらいいるのか;非常勤講師は格差構造の補完物として作られた ほか)
第2章 いま、非常勤講師たちは(帝京大学にみる教育リストラ―学生に大きな犠牲をおしつける、教育内容の大幅ダウン;立教大学における嘱託講師制度導入を批判する;東洋大学不当解雇事件 ほか)
第3章 女性研究者の権利と若者の未来のために(大学非常勤講師とジェンダー;O子の場合―ある女性差別の現場より;専任の立場から ほか)
第4章 非常勤講師組合の現状と未来(京滋地区私立大学非常勤講師組合の成立と運動;首都圏大学非常勤講師組合の現状;阪神圏大学非常勤講師労働組合から ほか)

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