内容説明
「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えない。かんじんなことは目に見えないんだよ」よく知られたこの言葉の本当の意味とは…?フランスの古典文学に脈々と流れる“人の悪い人間観”と、それに向き合うことで明示される人間の生の豊かさをさぐる。
目次
序1 “人の悪い人間観”と血の温かさ
序2 ロルカとボードレール:「あらゆる血管が開く詩」
1 プレヴェール:「朝の食事」と日常的な悪
2 ボードレール(1)「酔いたまえ」と「二重の部屋」
3 ボードレール(2)「異邦人」、愛の苦さ
4 『ル・プティ・プランス』・通称“星の王子さま”(1)毒舌家の情愛
5 『ル・プティ・プランス』(2)“肉の存在”の抵抗は日々新たに
6 意識を閉じないこと
補遺 「いずれが本当の彼女か?」と「描きたい欲望」の解釈の試み
著者等紹介
加川順治[カガワジュンジ]
1958年広島県生まれ。鶴見大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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