内容説明
第1巻(寛永21年より文政4年)に引き続き、当巻には文政5年から12年の間の文書を収載した。収載した文書のほとんどは、名主亀三郎の日記である。文政年間、多摩地方は干損や水害の被害が相次ぎ、農間渡世の発展や若者仲間の活動が活発となり、社会は動揺を増していた。「石灰や青梅嶌」などの商売にみられるように、石川家も在郷商人としての性格を次第に濃くしていく様子が如実に示めされている。また、文政お蔭参りの前年に流行神が誕生して行く様子も詳しく記されている。江戸落柿舎と関係を持つ地方俳諧の宗匠でもあった亀三郎の日記には、「庭場」という共同社会の行事も詳しく記されている。文政期の江戸近郊を知る絶好の史料である。
目次
日記扣
万日記扣
武州多摩郡熊川村川除御普請目論見帳
万日記扣帳
拝嶋村・高月村地境論内済仮議定書
八王子宿にて千人同心扶持米取計に付廻状 ほか
解説(名主日記から見た化政期の熊川村の生活と文化;亀三郎日記にみえる化政期の社会と民衆;文政年間における熊川村の生活―年中行事・生業・講;石川酒造家の俳諧史料について)
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