エンジェル エンジェル エンジェル

エンジェル エンジェル エンジェル

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  • サイズ B6判/ページ数 165p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784875990741
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あつひめ

64
人の心に棲まう天使と悪魔、善と悪。誰の心にもあるもの。どんなにいい人であっても持っているもの。そして人生の中に後悔がない人はいないのかもしれない。あの時こうしていれば、ああしていればと。それが人間なのだと。とても真っ当な人間臭い人間なのだと言われたような気がする。とても静かな言葉のやりとりが言葉の中に含まれた思いの深さを感じさせられた。もしも…こんな風に祖母と語らう時間があったとしたら…と私には無かった時間を羨ましくも感じた。2017/06/13

吉田あや

50
いびつに鳴り響くサーモスタッドと天井扇。静かに循環する生命と、澱のように沈んでいく悪意。祖母と孫が真夜中に共有する時間が時を越え、2人を同じく少女として結びつけ、時空と心が奇妙に交わっていく。光と影、天使と悪魔。片方だけでは存在できない人間の性。赦しを求め、闇に落ち、光を見た2人。互いの愛で罪と業を受け止め、昇華し、解けていく様は厳かで神々しく、大きく柔らかい羽に包まれて心が解放される様で胸が静かに熱くなった。2014/06/06

美登利

44
梨木さんの持つ独特のスタイル。でもこれは特に身につまされました。認知症を患う(多分)祖母と孫との心の交流。そうなんだよなぁ、認知症の人は落ち着いてくると、本当に天使みたいなんですよ。何を見つめてるのか、その目には何が映ってるのか。義母を見ていて時々、全部分かっているのではないか?と思うことがあります。何も応えてくれはしないのだけど。さわちゃん、ツネに逢えるよね。辛い気持ちを抱えたまま、お疲れ様でした。2014/07/08

柊渚

30
あの子を見つめている時の、貴女の熱を帯びた視線に気付いてしまったその瞬間、心に流れ込んできた醜くて真っ黒いもの。あの子が憎い。明るく陽の射していた場所が遠ざかっていく。暗闇の中にひとり置去りにされた、少女の時間は止まったまま。ただ赦される瞬間を待っていた。神様からでもなく天使様からでもない、他でもないあの子から。梨木香歩さんは同じく孫と祖母の関係を描いた『西の魔女が死んだ』がとても優しい物語だったので、今作も…と思っていましたが、良い意味で裏切られました。消えることない罪の意識と後悔の念に救済を。2022/02/02

アルピニア

29
題名からは想像できない内容。いとも簡単に怒りや妬みに流されて悪魔の誘いにのってしまう人間。そんな人間を創造主はどう思っているのか。梨木さんの信仰あるいは神に対する真摯な問いかけを感じる。主人公と祖母の「現在」と、その祖母が女学生だった頃の「過去」の話が交互に語られて進む。そして、登場人物である主人公や祖母が知りえなかった事実を読者だけは知っていくという設定。むごい描写の部分のインパクトが強く、題名の3つのエンジェルが示す意味も重く苦しい。庭で穴を掘りながら交わす会話が哀しいけれど優しくて、少し救われた。2016/07/08

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