内容説明
現代日本の歴史において重要な役割を果たしてきた日教組。膨大な非公開史料や関係者へのインタビューに基づき、リアルな日教組像を明らかにする学術的研究。下巻では、1980年代の労働戦線の再編から、教育運動の転換、文部省との「歴史的和解」まで、新たな路線選択の時代に迫る。
目次
第2部 混迷と和解(社会の変化と日教組;一九八〇年代の労働戦線再編の中で;「四〇〇日抗争」の過程;一九八九年の分裂;文部省との「歴史的和解」の政治過程;一九九〇年代の路線転換と二一世紀ビジョン委員会;一九九五年の運動方針転換への合意形成過程;結論に代えて)
著者等紹介
広田照幸[ヒロタテルユキ]
1959年生まれ。1988年東京大学大学院教育学研究科修了。南山大学文学部助教授、東京大学大学院教育学研究科教授などを経て、日本大学文理学部教授、日本教育学会会長。著書『陸軍将校の教育社会史』(世織書房、1977年、サントリー学芸賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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BLACK無糖好き
21
日教組の歴史に関する学術研究。上巻は結成から1950年代初頭が中心。下巻は80年代から90年代にかけての労働戦線再編、文部省との和解、運動方針転換など。◆自分自身、会社では組合活動に全く積極的でなかったこともあり、本書を通して労働組合のナショナルセンター(全労連、総評、連合)や、公務員系の労組の協議体(全官公、官公労、公務員共闘、公務労協)などの再編経緯や運動方針を改めて知ったような始末。日教組に関しては、労働組合と職能団体としての法的地位の変化を解説した上巻の第4章が特に参考になった。2020/10/29
Masakazu Fujino
11
日教組を歴史的に正しく見て、評価した本。当事者として(単組の組合員・役員)として過ごした時期とも重なる下を先に読む。世間に流布する誤解を払拭する実証的な叙述と、懐かしい人々(本部や単組の役員たち)、日教組が今日まで存在している意義も感じた。この後上を読みます。また、その後感想を。2020/03/31