内容説明
かの作家たちは「食」をいかに描いたか?36品の佳味あふれる饗宴。
目次
新秋名菓―季節のリズム(尾崎翠)
中年男のシックな自炊生活とは(開高健)
グリモの午餐会(澁澤龍彦)
神戸(古川緑波)
花の雪散る里(倉橋由美子)
握り飯(隆慶一郎)
薬菜飯店(筒井康隆)
人間臨終図巻―円谷幸吉(山田風太郎)
男の最良の友、モーガスに乾杯!(C・Wニコル)
初音の鼓―『吉野葛』より(谷崎潤一郎)〔ほか〕
著者等紹介
津原泰水[ツハラヤスミ]
1964年広島市に生まれる。青山学院大学卒業。少女少説作家“津原やすみ”としての活動を経て、97年に現名義で『妖都』を発表、あらゆるジャンルを横断する作家として、本格的活動を始める。2014年、短編集『11』(Twitter文学賞)所収の「五色の舟」が近藤ようこによって漫画化され、文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞。古典芸能、書画、工芸、音楽に造詣が深く、幅広い知識を駆使した作品、多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たんたん(休みます)
53
色んな作家さんの食に関するお話が盛りだくさん。本当にあるお店も載っていていつか行きたいと心ときめく。特に神戸、神戸ってすごいな。贅沢な作家さんばかりでホクホクしっぱなし。内容も絵日記、エッセイ、ファンタジー、ホラー、ミステリー、童話、漫画と楽しませてくれる。ちょっと難しい話もあり全部きれいには食べきらなかったけど…。一番楽しめたのは筒井康隆さんの「薬采飯店」。料理で悪い所を治してくれるお店。でも、食べた後に凄い事が起こる。根性無しの私にはチャレンジ出来ないわ。2016/10/28
mizuki
46
石井好子さんの『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』目的で図書館から借りて読んだ。フランス人はあまり卵を食べてはいけないと決めているので、卵を食べるときは、できるだけおいしく、また自分の好みにあった食べ方をしようと心をくだくそう。オムレツの手順が丁寧に書かれているため美味しそうなオムレツが食べたくなる♡ 今夜は野菜をたっぷり入れたオムレツにしよう♬2016/02/19
えりか
23
食に関する、エッセイや物語、絵日記、漫画が掲載されています。この本を見つけた時から、テンション上がってました。掲載作家群の(私的)豪華さ(三島、夢野、谷崎、中島、内田、筒井、清水、夏目、伊藤等々)がいいっ!!作家によって、ほんとこんなにも文章が違って、繊細であったり、惚けていたり、硬かったり、笑ってしまったり。食が題材だけに豪華なご馳走でした。前菜があって、お酒があって、メインがあって、デザートがあって。筒井さんは、『ジョジョ』の『トニオさん』を思い出しました。ご馳走さまでした。2015/03/03
ロア
21
食べ物系のアンソロジーは大好物ですよ!(*´▽`*)エッセイ、小説、社説、マンガ、日記等々、形態も盛りだくさん!500ページ超の分厚さは迫力ありますが、どの作品も面白くてするする読めちゃいます(*´ω`*)ブックガイドとしての一面もあるので、読みたい本がまた増えてしまった…(*´Д`)2022/02/15
辛口カレーうどん
21
食に関するエッセイや短編がぎっしり詰まったこちらの本は、編者が津原泰水だけあって、なかなかの曲者そろい。食べるという行為は、自分が生き延びるために、他者の命を奪う行為であり、野蛮で生々しいものだ。そんな生々しさが強い作品もあれば、食事は生命維持というより、趣味である人の作品は、知的で高尚な雰囲気がある。ああ、お腹いっぱい。ご馳走さまでした。2015/08/20