内容説明
トレモスの町にポルトという名前のパン焼き職人がいました。パン焼きコンクールでれんぞく優勝をほこるポルトの店は、ポルトが焼いたパンを買いもとめる人で、いつもにぎわっていました。ところがある日、思いがけないことがおこりました。ポルトの店の真ん前に、おなじようなつくりのパン屋が開店したのです…。第1回小川未明文学賞優秀賞受賞作。小学中級から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ベーグルグル (感想、本登録のみ)
46
児童書。競い合いも方向を間違うととんでもない事になってしまう。一番になったからと満足するのでなく、努力を怠らない、精進する事の大切さを感じました。良書。2021/12/19
ぼりちゃん(旧 aiaimo`olelo)
21
小川未明文学賞優秀賞受賞作とのこと。8歳の息子は「難しい…おもんない…」と言っていたが…大人は惹きこまれるように読んだ。パン焼きに自分の全てを傾けた職人たちの話。自分の仕事に誇りや情熱を持ち毎日を一生懸命に過ごしている人がいて、だからこそ生まれるドラマがある。そのことに息子が気付くのはもう少し先のことなのかもしれないな。 8歳2023/07/03
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
19
読み友さんのレビューで知り是非読みたかった本。トレモスの町に、トレモス1のパン焼き職人ポルトがいました。ポルトが焼いたパンを求めていつも賑わっていましたが、ある日向かいに新しいパン屋ができて…。ポルトの苦悩も分かるし、好奇心も分かる。弟子のカルルの親方への思いも、向かいのパン屋の親方への気持ちも分かる。全てが切ないけれど、人が喜んでくれるなら!と気持ちを切り替えたのが良かった。 第1回小川未明文学賞優秀賞受賞作2022/03/23
みー
11
他館より。トレモスいちといわれているパン屋の真ん前に同じパン屋が出来た!そこから始まる、トレモスいちと言われている、パン屋の疑心暗鬼・葛藤がさまざまと描かれている。そしてやってきたトレモスのパン焼き大会!毎年優勝しているトレモス一のパン屋は今年も優勝できるのか?人は、そこで満足してしまえば、そこで成長は止まる。この作家さんは、かなり人間の「えぐい」部分を子供向けに諭すように上手に描かれる作家さんだなーと思った。2017/05/27
Squirrel
5
あー、そんなことしちゃだめじゃないか、と思う場面があったり、カルルの手紙に心打たれたりと、読み手によって、心に残るポイントがいろいろありそうです。第一回小川未明文学賞優秀賞受賞作。2022くもんすいせん図書。2022/11/16