内容説明
近代漆芸研究のパイオニアにして第一人者であった六角紫水の巨きな足跡。その傍若無人、また、愛すべき面貌。情熱的生涯を発掘した興趣あふれる書きおろし。瀬戸内の小島から身を起こし、東京美校(現芸大)の一期生に。岡倉天心の薫陶の下美神への憧れを「漆」へ。中尊寺金色堂修復、古社寺文化財の調査、白漆の発明、名著『東洋漆工史』、朝鮮楽浪漆器との出会…。天心に伴われたボストン行をはじめ、横山大観やウォーナー博士ら、多彩な群像が登場する一代記は、即、一巻がさながら芸術史秘話の観がある。
目次
第1章 少年時代
第2章 東京美術学校
第3章 漆へ
第4章 紫水誕生
第5章 温故、そして知新
第6章 日本美術院の誕生
第7章 ボストンへ
第8章 大正・平安の日々
第9章 夢の漆器
第10章 昭和の完熟
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