出版社内容情報
本書は、「ユートピア」の系譜をたどりつつ、現代社会の抑圧や歪みを鋭く映し出す「ディストピア」文学までを射程に収めた論集です(著者8名)。
メアリ・シェリーの『フランケンシュタイン』から、フィッツジェラルドの『グレート・ギャツビー』、そしてアトウッドの『侍女の物語』やトニ・モリスンの『パラダイス』まで。イギリス、アメリカ、カナダの19世紀から20世紀末に及ぶ多様な文学作品を「ユートピア/ディストピア」という補助線で読み解きます。
既存の類書にはない斬新な作品選定と、コロナ禍という「現実の困難」の中で練り上げられた最新の論考によって、名作たちの新たな地平を切り拓く一冊。
私たちが憧れ、恐れる「ここではないどこか」の正体が、今明かされます。
【目次】
はしがき
第一章 メアリ・シェリー
『フランケンシュタイン』--新大陸のユートピア・・・・・・・・・阿部美春
第二章 スコット・フィッツジェラルド
「ギャツビー」というユートピア
--ここではないどこか、自分ではない誰かを求めて・・・・・・村尾純子
第三章 シンクレア・ルイス
アメリカン・ディストピア小説としての『ここでは起こり得ない』
・・・・・・山下 昇
第四章 トルーマン・カポーティ
アメリカン・ユートピアニズムの終焉
--『冷血』をその象徴として読む・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・恩地 幸
第五章 アーシュラ・K・ル=グウィン
「オメラスから歩み去る人たち」の語り手「わたし」の物語
--ディストピアの要因・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・中西典子
第六章 コーマック・マッカーシー
西部のアポカリプス的物語
--『ブラッド・メリディアン』の廃墟を読む・・・・・・・・・・・・山本祐子
第七章 マーガレット・アトウッド
『侍女の物語』で描かれる、権力への抵抗と共謀・・・・・・・・・・・三村尚央
第八章 トニ・モリスン
「ディストピア小説」としての『パラダイス』
--抵抗する女たちの「プロット」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・杉田和巳
あとがき
執筆者紹介
索引



