内容説明
「承認」のアクチュアリティ。ヘーゲルによれば相互承認とは、生活を支え合うなかで、自他をパートナーとして認め、処遇し合うという深く広い意味を持つ。その実現の場は家族、経済、国家の人倫的諸関係であり、これらはケア、連帯、福祉を含む。社会的な差別、格差、排除が深刻化するなかで「承認」論の意義を問い直す。
目次
第1章 承認の基本構想
第2章 格差是正・福祉・承認
第3章 イエナ期における承認論
第4章 承認の基礎づけ―『精神現象学』における考察(一)
第5章 承認の社会的・歴史的実現―『精神現象学』における考察(二)
第6章 後期ヘーゲルにおける承認論の拡充
第7章 和解と承認
第8章 承認の闘争と世界史―コジェーヴのヘーゲル承認論解釈
第9章 現代における承認の闘争―ホネットのヘーゲル承認論解釈
著者等紹介
高田純[タカダマコト]
1946年、北海道生まれ。1970年、北海道大学文学部卒業。1975年、北海道大学大学院博士課程、文学研究科、単位修得。1995年、文学博士(北海道大学)。帯広畜産大学助教授を経て、1987年、札幌大学教授。2017年、札幌大学名誉教授。2022年、旭川大学教授退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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