内容説明
一九九二年一月、香港から米国ワシントン州タコマへ向かうコンテナ貨物船エヴァー・ローレル号は、北太平洋上で悪天候に遭遇し、積み荷のコンテナを海に崩落させてしまう。そのコンテナから、七二〇〇組・二万八八〇〇個の幼児用浴用玩具「フレンドリー・フローティーズ」(アヒルの子、ビーバー、カメ、カエル)が流出した。教え子の作文でその事件を知った青年教師ドノヴァンは、職をなげうってアヒルたちを追跡する航海へと出発する。メルヴィルの不朽の名作『白鯨』を下敷きに、漂流プラスチックの謎と海洋科学をおりまぜながら、アラスカから中国沿岸までにいたる追跡の航海を記録した海洋冒険巨編!
目次
第1章 船から海へ落ちこぼれる
第2章 一回目の追跡
第3章 二回目の追跡
第4章 三回目の追跡
第5章 四回目の追跡
第6章 五回目の追跡
第7章 最後の追跡その1
第8章 最後の追跡その2
著者等紹介
ホーン,ドノヴァン[ホーン,ドノヴァン] [Hohn,Donovan]
1972年、サンフランシスコ生まれ。『GQ』誌で特集記事担当デスクを務めたほか、『ハーパーズ』『NYタイムズマガジン』など各誌に寄稿。2008年、ホワイティング賞。2013年、ナイト‐ウォレス奨励金(ジャーナリズム)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ボル
8
完読はまだだけど壮大なドキュメントを堪能しました。プラスチックで出来た風呂玩具のアヒルたち、船が座礁し海に放り出された。話を生徒から知った教師、アヒルを回収すべく乗り出した。プラスチックの海洋汚染など環境問題の脅威にも踏み込んだ実話や実際海流にはゴミの墓場となる街が存在する話などまさに海洋汚染が取り上げてある。本筋は上記のような話であるが、やはり、笑顔を浮かべた玩具であるアヒルちゃんがぷかぷか浮いている姿を想像すると・・・本の題材として持ってこいである。ただもう少し短くまとめて欲しかった。再読も改めて。2020/02/11
rincororin09
2
分厚かった(>_<)後半は少し斜め読みになってしまった。環境問題の提起というような深刻な語り口ではないが、扱っている中味は深刻だと感じた。大海原にあのアヒルたち…というイメージは想像力を掻き立てるし、見ようによってはこの問題同様にシュールだ。2020/06/11
ayawe
1
著者の行動力に脱帽! 普通の人の大冒険譚は、冒険家や研究者や環境保護論者の語る話と違って、一般人の私にはとても面白かった。 2020/01/14
ジム
1
普通なら海洋ゴミ、でも流れ出たのがアヒルちゃんだから壮大なドラマになるのね。2019/07/23