内容説明
ケープタウンのレストラン街の下宿から、子連れで大統領の鍼灸療に通う日々。シングルマザーとなった著者と、この町で生きる人々との間に交わされるやりとり…『手でふれた南アフリカ』から17年、生活者の視点で南アフリカを描く、待望のエッセイ集第二弾。
目次
1 レストラン街の日々(角の洗濯屋;キャンプストリートの一日;助産婦 ほか)
2 マンデラの家(アフリカの礼儀;水を運ぶ;元旦の散歩 ほか)
3 南アフリカらしい時間(アフリカの家族;少年刑務所で教える―ジョンの話;無口な職人たち ほか)
著者等紹介
植田智加子[ウエダチカコ]
1960年東京生まれ。津田塾大学卒業。鍼灸師。1990年、ネルソン・マンデラ氏の来日を機に、同氏の治療をするようになる。90年代の大半を南アフリカで過ごし、1995年にケープタウンで鍼灸院を開設。2002年帰国(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hoguru
11
南アフリカを感覚で理解するのに良い本だと思った。今後南アフリカの歴史やマンデラ氏について、知識を深めたいと思うきっかけを与えてくれた。2019/02/04
なかむ
3
知人にお薦めされて読んでみたが、いつの間にか寝る間を惜しんで読み終えていた。何でだろうか…文化を国も何もかも違う南アフリカの希望溢れる魂、アパルトヘイトに立ち向かった歴史、温かい人のあり方に心が惹かれていた。マンデラ氏についても教科書以上のことを知らなかった自分だが、人としてのあり方に少し触れて興味が湧くのを感じた。日本の出来上がったものや仕組みに触れ続けてしまって、得ることができなかった苦しみやその学びを少し教えてくれた気がする。2018/09/16
清水勇
3
マンデラ大統領来日時針灸治療した縁で1995年に南アフリカにシングルマザーとして針灸院を開業した著者。マンデラ大統領の家を何度も治療で訪問し、彼の人となりを等身大で表現。妊娠、離婚、出産、仕事をしながらの子育てを周囲の人達の力を得ながら生活する著者の逞しさに脱帽。「一人の母親が受取る手助けの絶対量は同じ」だとして励ましてくれる先輩のシングルマザーの言葉、マンデラ氏の背筋がまっすぐで肩に力の入っていない姿勢を崩さない態度、タイル張り職人の南アフリカでのマンデラ氏の位置づけを語る重さ等、多くの感銘を受けた。2014/02/04
バーベナ
3
日本から24時間離れた国での生活。泥棒は当たり前、個性的な友人たち、マンデラ氏との交流・・・激動の90年代に滞在していた著者だが、あくまで控えめな語り口にとても好感がもてる。もっとこの国を知りたくなる。2010/09/18
yamaneko*
2
南アフリカで出産、シングルマザーとして鍼灸師として生活した経験をまとめた本。マスコミには出ない、人々の日々の生活が垣間見れて、少し南アフリカという国を理解できた気がします。2010/06/11