内容説明
早世した梶井基次郎、中島敦、堀辰雄らの自伝的作品から、若者の破滅と自殺を描く高見順「故旧忘れ得べき」、田宮虎彦「琵琶湖疏水」、檀一雄「花筐」、戦争をテーマにした西原啓「焦土」、「きけわだつみのこえ」まで、生と死をめぐって格闘する青春群像15編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイ
52
ヒロポンさんが下巻を読まれていたので図書館で入手。同時代の作家の20~100頁の13篇の小作品集。長いので毎日少しずつ読む。「冬の蠅」梶井基次郎、牛乳から出られぬ蠅、主人の留守に寒さで死に絶えた蠅、病に倒れている梶井が書いた気持ちを考える。「若い詩人の肖像」伊藤整、素直に、同年代への作家への嫉妬や焦燥感、大家への憧れ、生活と勉強、芥川の死を描く。「ダス・ゲマイネ」太宰治、恋をしたのだ、から始まるのが、その後の展開で太宰が遊んでいるようだ。語り手のお前は誰だ? 「きけ わだつみのこえ」だけ辛くて読めず。2014/04/25