内容説明
紀元２世紀からヴァイキングたちが用いたルーン文字は、その独特な形体とともに、呪術的要素や文字に付随した神話的図像によって、人々を魅了してきた。本書では、スカンディナヴィア半島はじめゲルマン民族が活躍した各地に残る銘文を解説し、ルーン文字の発展史をみる。ファミコン、アクセサリーで人気のルーン文字。類書が少なく、長らく待たれた格好の入門書。
目次
第１章 ルーン文字と関連諸問題
第２章 ルーン文字の名称と「フサルク」の諸型
第３章 初期のルーン銘文
第４章 アングロ＝サクソン・ルーン銘文
第５章 ルーン銘文とヴァイキング
第６章 イギリス諸島の北欧ルーン銘文
第７章 北アメリカのルーン銘文
第８章 英国でルーン銘文が見られる場所
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たまきら
33
この道に迷ったままの状態で一生懸命様々な解釈を紹介している学術書を読み終わった時、不思議な気持ちになった。どの国の言語も、数世紀後このような運命をたどっていておかしくないから。そんな私たちの存在のはかなさを懸命に否定するかのように、様々な形で刻み込まれた文字の拙さ、そして生物の「受け継ぐ」という本能に尊いものを感じた。…日本語だっていつこうなってもおかしくないのだ。2019/08/09
紫羊
25
ルーン文字研究の入門書です。ルーン占いへの言及は皆無で、読み進めるのに苦労しました。真面目な内容ですが、ところどころ著者の遊び心が垣間見える表現もあって、苦しい中にも喜びあり、といったところでしょうか。2017/05/22
ゼノンアノン
0
1996年発行、141頁。原著は1987年だが訳者はあとがきで1995年の第7刷と照合できたと述べている。エノークセンの本で扱いの小さかったアングロ＝フリジア型の銘文について詳しい。2024/01/21
