内容説明
三百年前の歌舞伎役者の暮らしぶりは。江戸時代の「芸能界」にまつわる興味深い逸話の数々を丹念に調べ上げ、溌剌とした筆致で描き上げた本書を通し、読者は生きた歌舞伎役者の真実の姿に出会い、歌舞伎がまだ特別な芸能であった時代の空気を感じとることができるだろう。芸術選奨文部大臣新人賞受賞作。
目次
序章 ある役者の一生―初代中村仲蔵の場合(人物像;修行時代 ほか)
第1章 仕事(興行のしくみ;役者の給金 ほか)
第2章 人間関係(役者の肖像;役者をめぐる女たち ほか)
第3章 衣食住・趣味(衣;食 ほか)
著者等紹介
田口章子[タグチアキコ]
1957年東京生まれ。学習院大学大学院修士課程修了。現在、京都造形芸術大学助教授。おもな著書に『江戸時代の歌舞伎役者』(平成十年度芸術選奨文部大臣新人賞受賞)などがある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
59
文章が軽やかで資料を読んでいる感じがしなかった。様々な側面からこの時代の役者を考察しており、興味が持てる作品だった。2018/04/05
ケン・リヴィングストン
2
現在の歌舞伎に至る芸や型の基礎をつくった江戸時代の歌舞伎役者の芸談や逸話を私生活にいたるまでクローズアップ。 扱う時代が跳躍的なので読むのに骨が折れたが、身近でなかった人物たちがふだんなにを考え、なにを着て、なにを食べ、どんな句を詠んで芝居に臨んでいたのか。その役者たちの人物像が一気に生生しく立ち上がるとともにいまに至る歌舞伎という伝統芸能のどの部分がどう伝統なのかがよくわかった気がする。2022/09/02
つばな
1
初代仲蔵の話から入るってのがなんていうか玄人…。てか仲蔵の私生活インパクト強すぎやで。「河原者」の役者の生活が垣間見れてとても面白かったです!2014/06/11
いちはじめ
1
江戸時代の歌舞伎役者の芸談はともかく暮らしぶりについて書いた本は少ないと思う。その点、この本は貴重2002/12/20
津島澪
0
わかりやすい文章で、内容も充実している。参考になった。2021/04/26