出版社内容情報
「古事記」「日本書紀」「古今著聞集」「日本霊異記」などの古来の物語集から、江戸・明治時代の随筆文まで、日本に伝わる「虫」にまつわる奇譚の数々を収集・精選。あやしく不可思議でありながらも、どこか愉快な虫たちの逸話の群れは、現代の私たちの常識を易々とすり抜け、飛び越える。ムズムズ、モゾモゾ、ワクワクする、物語の標本箱。
内容説明
昆虫ばかりがムシじゃない。クモやムカデ、ミミズやカエルもムシはムシ。偉そうに気取っては見せてもニンゲン様だって、所詮はムシの端くれ。そんな曲者ぞろいが、天地を舞台に大活躍。ムズムズ、モゾモゾ、ワクワクする、物語の標本箱。
目次
無脚の章(なめくじ―蛞蝓;かたつむり―蝸牛 ほか)
四脚の章(いもり―井守;かえる―蛙 ほか)
六脚の章(しらみ―虱;のみ―蚤 ほか)
多脚の章(くも―蜘蛛;むかで―百足 ほか)
著者等紹介
福井栄一[フクイエイイチ]
上方文化評論家。1966年、大阪府吹田市生まれ。京都大学法学部卒。京都大学大学院法学研究科修了。法学修士。四條畷学園大学看護学部客員教授、京都ノートルダム女子大学人間文化学部非常勤講師、関西大学社会学部非常勤講師。朝日関西スクェア・大阪京大クラブ会員。上方の芸能や歴史文化に関する講演、評論、テレビ・ラジオ出演など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たまきら
34
虫好きにはたまらない、虫の種類ごとに日本の様々な古典を紹介してくれている本です。自分的にはハチの部分を読むだけでも大変価値がありました。あとしおりひもがとてもかわいいイモムシ色で太めなのも好み!大満足な一冊です。2022/09/20
itokake
19
虫に関する昔のお話。出典は江戸時代を中心に奈良時代から明治まで幅広い。短い話なので寝る前にちょうどいい。虫だけなく、蟲(ミミズ、イモリ、蜘蛛など)も扱うので、章立てが足の本数(無脚、四脚、六脚、多脚)になっているのが楽しい。私の嫌いな蛾が日本書紀にも登場していて、白い蛾が献上されたので封戸を増やしてあげたと。当時、アメリカシロヒトリはまだ日本にいないから白い蛾は珍しかったんだろうか。ある植物が虫に化成すると大真面目に書かれている。冬虫夏草でも見つけたんだろうか。虫好きには面白い本だった。2023/06/30
Kira
13
図書館本。昆虫ばかりでなく、爬虫類や両生類も含めた虫の生態にまつわる珍談奇談集。根岸肥前守の『耳嚢』、松浦静山の『甲子夜話』からの話もあり、楽しませてもらった。松浦静山が『耳嚢』を意識していたと思われる記述が面白かった。蛙の合戦に関する話が多いのも興味深い。合戦をするほど大群の蛙を、現代の日本で見ることはできるだろうか?2022/06/03
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
10
脚の多さで章立てになっている虫たちの昔話。 『 無脚の章ーなめくじ / かたつむり / かいちゅう / すんぱく(さなだむし)/ ひる 四脚の章ーいもり / かえる / とかげ / やもり 多脚の章ーくも / むかで / げじ / ふなむし 』2023/07/12
トーコ
2
面白かった。 有り得ない話しに思わず笑ってしまった。 他のシリーズも読みたい。2022/07/29