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内容説明
晩秋の夕陽を浴びる古木。その姿はまるで「市井の仙人」のよう。干ばつ、大洪水、地震、豪雪、相次ぐ災害に見舞われ続けた一千年もの間、傷つき耐えて、なおも共に生きる巨樹は人々の心の支え。荘厳な杉参道に結実した歴史の偉業、篤信の念仏者ゆかりの柿の木…ときに威風堂々と、ときに素朴に平凡な姿で、ただ静かにこの世の人々の生業を見守る大いなる木の精霊たち。―日本人と木との暮し、カミ観念や信仰心を綴る十五の物語。樹木の声が聴こえる、人の心が観えてくる。
目次
第1部 木の声(「市井の仙人」鳩山、八幡神社のイチイガシ;越後、虫川の大杉は現代の閻魔大王;天翔る楠の壮大なロマン;坂東霊場、大慈大悲の慈光寺の榧;大椎は日蓮の声を聞いたか;会津、歴史を覗いた二本の大ケヤキ)
第2部 人の心(一期一会の木となった幻の「根上り松」;木喰、刻印二百年の立木仏;古のときを想わせる、波崎の大タブ;妙好人・因幡の源左と柿の木;小説家、有島武郎の最後を知っていた木;極楽浄土へ導く善光寺の回向柱;日本の祖霊と巨樹;木を迎え、木を送る)
著者等紹介
牧野和春[マキノカズハル]
1933年、鳥取県生まれ。慶應義塾大学文学部卒。ジャーナリストを経て1968年、牧野出版創立。精神医学関連を中心に出版。併せて日本人の心を関心事に執筆活動を続ける。現在、惜水社社長。常に現場主義、臨場感をもとに生身の人間としての体感と思索を重視。奥武蔵在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。