内容説明
一八世紀なかば、不思議な力を持った一人の少年が誕生した。みずからの力に目覚め、医師となった彼とその「動物磁気療法」は、ウィーン、パリ、そしてベルリンで、熱狂的なブームとスキャンダルの渦を巻き起こしていく。科学者であることを目指す一方で、錬金術の秘法に耽溺したこの不可解な人物こそ、フランツ・アントン・メスマーである。フランス革命やドイツ・ロマン主義運動に巨大な影を落とし、催眠術=メスメリズムにその名を残しながらも、精神医学の正史からは黙殺され続けてきた謎の生涯の全貌が、フランス文学界の異端、チュイリエの手によって、今、はじめてよみがえる。
目次
第1部 ウィーン(狩猟頭のせがれ;学位論文;ラントシュトラーセの宴;磁石;動物磁気;エリー・ヴィクセルとオイゲン・コルシツキー;マリア・テレジア・パラディース)
第2部 パリ(ヴァンドーム広場からクレテイユへ;ビュリオン館;1779年の論考;患者の墾請;スパと「調和協会」;王室調査委員会と秘密報告;誘導催眠とアヴィニョンの天啓主義者;動物磁気と大革命)
第3部 メールスブルク(黒の過程;ノストック;シュヴァーベンの海)
感想・レビュー
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