出版社内容情報
視線の先に広がっていたのは、事件現場というよりは、福祉現場そのものだった――。
新聞記者として「事件現場」へ取材に訪れた先で著者が出会ったのは、人知れず孤立の中で生きてきた親子の暮らしでした。「犯罪」の背後には、支援につながることができなかった人の人生がある。その気づきが、著者に社会福祉の扉を開かせます。
本書は、社会福祉士・精神保健福祉士の資格を持つ新聞記者である著者が、東京新聞で連載してきたコラム「社会福祉士?新聞記者」を一冊にまとめたものです。女性支援、児童福祉、司法福祉、精神医療福祉など、さまざまな現場で見聞きした出来事が、日々の取材と福祉実践を往復する視点から描かれています。
福祉は、遠い世界の話ではなく、誰もが関わり、誰もが当事者になりうるものです。本書は、正解を示すための本ではありません。ただ、著者が現場で感じた戸惑いや悩み、希望を差し出してくれる一冊です。多くの人が福祉の入り口に立つ、そんな始まりの書籍になることを願います。
【目次】
まえがき
第1章 プロローグ 福祉は「人」でできている
誰かの明日を変えるため
救命現場と福祉介護 結ぶ
アガペ像に励まされて
平等に情報 知る権利を
ひとつ屋根の下で
底流に愛のまなざし
連載30回を迎えて
詩でつづる福祉
虫の目、魚の目、鳥の目で
ぶどう社の静かなる奮闘
事件と福祉は背中合わせ
第2章 女性の権利 戦争と地続きの女性支援
届かぬ「夜の街」の福祉
来年こそ 穏やかな日々を
「弱者」は誰がつくり出す?
「夜の街」の風向きは…
ヘアメークを超えた信頼
不可解 「買春」おとがめ無し
女性のための新たな居場所
〈女性支援の現場から①〉絡まった心の糸 優しくほどき
〈女性支援の現場から②〉オーバードーズの叫び
〈女性支援の現場から③〉夜の闇 うずく心の傷
〈女性支援の現場から④〉芽生えた新たな夢(
〈女性支援の現場から⑤〉職員の「新法一年」
〈女性支援の現場から⑥〉自立へ一歩ずつ
慰安婦演じる思いは
第3章 児童福祉 子どもたちの意思決定を守るということ
笑顔の裏側にあるもの
自分ではない誰かのために
伝える 調べる大切さ
「虐待の連鎖」の重み
国立武蔵野学院を訪ねて
虐待は必ず起きる、心に刻み
「もやもや」を大切に
アドボカシーを学ぶ機会に
ケアリーバーの声を聞く意味
「戦争は駄目だよ」再び問う
子どもの声 みんなで担う
第4章 司法福祉 生き直しの現場から
人は必ずやり直せる
信じることから始まる
〈ある受刑者と福祉①〉「厄介者」兄の死 人生狂う
〈ある受刑者と福祉②〉救えた命、人生があった
〈ある受刑者と福祉③〉加害者に… 乏しい更生支援
〈ある受刑者と福祉④〉出所準備 突然やって来た
〈ある受刑者と福祉⑤〉つながりが再犯の芽をつむ
〈ある受刑者と福祉⑥〉揺れた葛藤 伝える意味とは…
更生の意義を学ぶ
刑務所と社会 媒介者に
手紙の消し跡 SOSにじむ
極上の更生ワイン
「無期刑」から更生を考える
福祉とノートと筆記具と
〈ある受刑者と福祉、その後①〉刑務官との再会
〈ある受刑者と福祉、その後②〉刑務所に本託す
〈ある受刑者と福祉、その後③〉鍵のかかった墓
〈ある受刑者と福祉、その後④〉受刑している人たちに選挙権、議論を
活動30年 監獄人権センター
心を揺さぶる刑務所アート
第5章 精神医療福祉 「精神」はこれからの熱き希望だ
誰もが神輿の担い手
「相棒」と一緒で幸せ
他者の痛みを知る
人生は学びの



