- ホーム
- > 和書
- > 教養
- > ノンフィクション
- > ノンフィクションその他
内容説明
泣くこと厳禁!授業中に「I am a Japanese」と唱和できなかった少年の悲しみ―。寺田寅彦から魯迅やフランツ・ファノンまで、作家・徐京植が心の糧とした読書体験を語る。
目次
思春期の戸口にて―『寺田寅彦集』
子どもの涙(一)―エリザベス・ルウィズ『揚子江の少年』
子どもの涙(二)―ニコライ・バイコフ『偉大なる王』
子どもの涙(三)―エーリッヒ・ケストナー『飛ぶ教室』
豆を煮るに―吉川英治『三国志』
いやな奴―太宰治『思ひ出』
男について―『現代詩人全集』ほか
読めなかった本―トーマス・マン『魔の山』
希望とは―魯迅『故郷』
廃滅せんとする言葉(一)―許南麒『朝鮮冬物語』
廃滅せんとする言葉(二)―金素雲編訳『朝鮮詩集』
橋をわがものにする思想―フランツ・ファノン『地に呪われたる者』
著者等紹介
徐京植[ソキョンシク]
1951年京都生まれ。東京経済大学現代法学部教授。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スプーン
38
少年期の本にまつわるエッセイ集。 特異な立ち位置(在日)から語られる本の話には、時代の真実と、宿命のやるせなさを感じずにはいられませんでした。 向田さんに近かったです。2024/01/09
なにょう
13
ある朝鮮人の一代記。読んだ本を追いかけながら自分の越し方を振り返る。京都での幼少期。★はてなぜ京都に朝鮮人が流入したか。戦前、大阪や京都は製造業が大いに栄えた。大阪に収まりきらなかった人びとは京都に流れた、と。著者の父は長男で、朝鮮に引き揚げた一族を養うために、日本に残って稼いでいた、と。戦後の時代、でもまだまだ戦前の人びとが、現役だった60年代に少年時代を送った著者。そしてその世代の子どもが、80年代生まれの我われである。出自を言い訳にせず、淡々と誠実に進んできた著者の人生が伺える。2021/07/31
チェアー
9
文庫で持っているのに(積読)、新装になったのでついつい。 本には記憶が染みやすい。読んだ時、何を考え、そばにはだれがいて、どんな声が聞こえていたか。本の表紙や挿絵をみると、そんなことをふつふつと思い出す。 本の内容よりも、そんな思いや記憶が一人の人間を形づくっていくのだと思う。 声高に民族や政治を語るのではなく、その時々の記憶と本に寄り添って、穏やかに語る、その語り口がいい。 人を輪切りにすると、いろんな本が出てくるような気もする。2020/08/26
tellme0112
7
復刻版のみ理由を知る。都知事線の後に読む本一冊目。昔わくわくしながら本を読んでたことを思い出した。2020/07/08
ファルコファン
0
子どもの頃に同じ本を読んでもこんなに感想が違うのか。 子どもの時に自分は何を考えていたのだろう。思い出せない。2022/03/07
-
- 和書
- 資本蓄積と景気循環