出版社内容情報
アメリカに協力して戦争する体制づくりを急ぐ「属国日本」の現状を、アメリカ政府の公開機密文書からどうして生じたかを読み解く。
内容説明
対米従属の根源がここにある。米大使の公電が明らかにする日米安保・地位協定秘密交渉の恐るべき内幕!
目次
1章 法治国家崩壊のカラクリ(一体化する沖縄と本土;日米合同委員会―だれが何を決めるのか;在日米軍と大使館の関係;マッカーサー公電が語る北富士のたたかい;最高裁判所が米軍の無法を支える)
2章 トリックで作られた基地管理権(米軍の行動に合わせて変わる政府見解;パンドラの箱をあけるな;ポン協定の衝撃;米軍は基地の外でも法令を守らない)
3章 米軍は地球上のどこにも出撃する(国家安全保障公文書館での発見;極東は中東・アフガンに延びる;横須賀空母母港化の密談)
4章 海外派兵をめぐる攻防(「日米同盟」は禁句だった;極東米軍文書が語る自衛隊のルーツ;集団防衛と改憲への衝動;安保条約と憲法の関係;赤城宗徳が語った安保改定の舞台裏)
著者等紹介
末浪靖司[スエナミヤスシ]
1939年生まれ。ジャーナリスト。現在、日本平和委員会理事・調査研究委員・国際委員、非核の政府を求める会専門委員、日本中国友好協会参与。2014年、日本民主法律家協会「法と民主主義賞」受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kadoyan
2
アメリカ国立公文書館にて公表された機密文書などをもとに、安保条約を軸にした日米の異常に歪んだ関係をあきらかにしている。いろいろ発見があったが、一つは、日米同盟がドイツに駐留するNATO軍の地位協定であるボン協定を意識しつつも、ボン協定で保障されている当事国の権利などは、ほとんど盛り込まれず、アメリカの思惑中心にくまれていたこと。もう一つは、日本駐留の目的は、日本に安全保障をなんらか施すためではない」と明確に機密文書の中でも述べている点。そして、こうしたやりとりのなかで、いまの戦争法への道も準備されていた。2016/02/01
バリバリブーン
1
交渉というより、日本の対応はアメリカ軍の便宜をどうはかるかに終始している印象を受けました。 これだけの機密公開文書の収集と翻訳を手掛けた著者の労力に経緯を評したいです。2015/12/30