内容説明
農薬がネオニコチノイド系に変わった。ニホンミツバチの養蜂の第一人者と環境問題の市民派研究者が、全国に広がる農薬や家庭用殺虫剤にも使用される新化学物質・ネオニコチノイドの危険性を訴える。
目次
第1章 ニホンミツバチに起きた異変
第2章 ニホンミツバチの死滅は複合的要因説では説明できない
第3章 ネオニコチノイド系農薬とは何か?
第4章 人体への影響
第5章 虫も小鳥も姿が見えない
第6章 松の話
第7章 繰り返す農薬の歴史
著者等紹介
久志冨士男[ヒサシフジオ]
1935年長崎県生まれ。佐賀大学文理学部英語英文学科卒業。以後1996年定年退職まで長崎県の高等学校で英語教師を勤める。アジア養蜂研究会会員。日本蜜蜂研究会会員。在職中からニホンミツバチを飼い始め、退職後はニホンミツバチの生態研究と普及に専念する。養蜂器具の特許、実用新案多数。「壱岐・五島ワバチ復活プロジェクト」代表。戦後長崎県の離島で絶滅していたニホンミツバチを2007年と2008年にこれらすべての島で復活させた
水野玲子[ミズノレイコ]
1953年生まれ。ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議(JEPA)理事。化学物質による空気汚染から健康を守る会(VOC研)理事。化学物質の子どもへの影響を中心に調査・研究や農業、ダイオキシン、空気汚染などによる被害者への支援活動などを行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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MOKIZAN
4
確かに虫が少なくなりました、夜に車のフロントで絶命する虫も減りました。薬だけのせいじゃないけれど、要因ではあると思えます。農業の効率化、作物収穫率維持を理由に、使用を止めることはさせないんだろうけど。いつの日か遺伝子組み換え作物(米国は押し込みたいだろう。日本はEUみたいに明確な反対を通せるのか?)との複合汚染も含めて、我が身に影響が廻ってくるのでしょうか。2015/04/07
モフモフ / MofuMofu
1
有名人の死亡ニュースを見ると「ガン」ばかりの昨今ですが、この本を読んでいると、もしや?と感じさせられる事がしばしば。近所に来るツバメの数が年々減っていたので納得いきました。久志作品最後の遺作です。2013/04/22
ケリー@根が違う
1
害虫を殺す為に農薬を撒き散らし、その為ハチがいなくなってしまった。ハチがいないと、花粉媒介ができずに樹木は子孫を残せない。また、土の中の微生物を殺したり、人間の子供にも神経に異常をきたす。代償が大きすぎる。2013/04/06
T.Y.
1
ニホンミツバチ養蜂家の立場から、ネオニコチノイド系の農薬(農薬全般ではなく)使用について警鐘を鳴らす。大部分は久志氏の身の回りの観察に基づいた実情報告だが、水野氏による最終章は海外でのこの問題についてもまとめている。さて、『ハチはなぜ大量死したのか』では農薬のことはどの程度触れられていたかな、と思う。ミツバチヘギイタダニ対策の農薬の問題は触れられていたが……2013/02/26
たまきら
0
ニホンミツバチを長期にわたって飼っているからこそ、気づくこと。一養蜂家の日常と、その日常をおびやかす農薬。ここまでは一般人は人ごとかもしれません。でも、その農薬が子供の脳を侵し、私たちの体調不良の原因になってるとしたら?2014/06/23