内容説明
荒れる学級と孤立無援の新採教師―苛酷な教育現場と教師の苦悩に応える画期的な判決へのドキュメント。
目次
序章 追いつめたもの(木村百合子さんを自死へと追いつめたもの(蓮井康人)
異常な労働環境が教師と子どもを苦しめる(小笠原里夏))
第1章 陳述書・母の証言(陳述書(木村和子))
第2章 遺されたノートから(木村百合子さんの軌跡を追って(佐藤博))
第3章 公務災害認定をめぐる闘い(地方公務員災害補償基金への申請から裁判まで(橋本政紘)
木村裁判証人尋問で見えた学校現場の現実(湯本雅典)
本村百合子さんの裁判を見守って(玉田文江))
第4章 木村事件(裁判)が教育の現場に投げかけた課題(困難な課題をもつ子どもの担任を支えるためには何が必要だったのか?(楠凡之)
法廷・裁判・判決が教育について問うたもの(久富善之))
著者等紹介
久冨善之[クドミヨシユキ]
1946年生まれ。東京大学教育学部卒。一橋大学名誉教授。現在、教育科学研究会常任委員。専門は教育社会学、学校文化・教員文化論で、教師の仕事、その独特の難しさと乗り切りにまつわって生じる文化を研究
佐藤博[サトウヒロシ]
1948年生まれ。早稲田大学法学部卒。2009年まで東京都板橋区立志村第一中学校社会科教諭。教育科学研究会常任委員・学びをつくる会世話人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tama
4
図書館本 こないだ死んだ妻の文章が1章分載っていたので。当時市会議員で支援していたので。しかしひどい職場だねえ。まともに取り上げていないじゃない。関わりになりたくないって。土地柄かねえ。起きてしまったら、知らぬ存ぜぬ、しかと判らぬ。管理責任者・指導者としては完全にアウトな上司たち。原因児童の母親は「こんなことでは子供を学校に行かせられない」と言ってるが、そうするべきだったよ。子供も学校もその方がhappyだったはず。しなかったのは、学校側も親も「世間体」を気にし、嫌なことは人のせいにしたかったから。2022/07/28
星規夫
1
あまり他人事ではない話題を扱っているような気がしたので、読んでみた。鬱病をはじめとする精神疾患が顕著に現れるようになったのは、精神疾患の基準が下がったからなのか、社会が過酷になったからなのか、現代人の精神が軟弱になったからなのか、いつも気になっている。2013/07/14
runrunrun
1
教師の仕事の過酷さ・悩み・苦労を実感した。正直怖いとさえ感じた。だが自分の教師になるという目標は変わらない!自分に関わって下さった先生方、学校が教えてくれたのは教師の仕事の素晴らしさだ。私は教師になる。2012/12/15
あさつゆ
0
元教師木村百合子さんが死に至るまでどれだけ誠実に努力したか、彼女はなぜそんなに苦しんだのかがこの本を読んでよくわかった。彼女の死はその弱さゆえの個人的な問題ではない。教育現場において、孤立無援におかれている教師たち、苦しむ教師に手をさしのべることができない教師たち、なぜそんな状況になるのかを、教師自身も、教師でない多くの人にも知ってほしい。そして、そのような状況を少しでもよくしていくにはどうすればよいかを自分も含めみんなで考えていかないといけないと思う。2013/02/11
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