内容説明
日露戦争の最大の“勝因”は何だったのか?軍事史研究の第一人者が『坂の上の雲』で描かれなかった日本軍の「戦術」「戦略」を徹底検証、日露戦争を見る新たな視点を示す。
目次
1 近代日本の国家戦略―日露戦争への道(「ロシア脅威論」に基づく軍備拡張;ロシアの「脅威」に備える北進論(朝鮮半島先取論) ほか)
2 日露戦争の世界史的意味(日英同盟の役割―日露戦争遂行の大前提;日露戦争が世界政治に与えた影響 ほか)
3 日本陸軍の戦略―「成功」と「失敗」(日本陸軍の基本戦略構想;日本陸軍の戦略の「成功」(主に戦争前半) ほか)
4 日本海軍の戦略―「成功」と「失敗」(日本海軍の基本戦略構想;日本海軍の戦略の「失敗」(戦争前半) ほか)
著者等紹介
山田朗[ヤマダアキラ]
1956年大阪府生まれ。明治大学文学部教授。専攻は日本近現代軍事史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
47
日本史Bで使用。バルチック艦隊のスエズ運河経由でなかったわけとか、遠回りルートの訳を知りたい人は一読を。秋山真之のこだわりは「T字戦法」154ページから。この戦法はなかなか実際には難しいようであった。2022/08/25
jjjjpppp
2
坂の上の雲というフィクションの名作での謝った認識を正す本。史実をしって、フィクションを楽しむべきだ。2011/04/12
江川翔太郎
1
日露戦争について学ぶために読みました。 今まで日露戦争は厳しいながらも勝つことができたイメージでしたが読み進めていくうちに得たものよりも失ったものが多く、全体的に見ると負の影響が大きかったのではないかと思いました。特に借金の返済が戦後まで続いた事には驚きました。 各戦闘でも多くの失敗があり、砲弾不足、無理な作戦の進め方、失敗やミスを認めず神話にして都合よく考えるといった所は後の大戦でも同じような事があるのできちんと成功も失敗も振り返ることが大切だと思いました。2025/02/10
aeg55
1
本の、”はじめに“に『坂の上の雲』が描かなかった日露戦争の真実〜とある通りの本である。司馬遼太郎の『坂の上の雲』を読んだ後持った違和感を全て答えてくれる本である。日清日露戦争は日本が朝鮮を支配するために行われた戦争であること。明治期における日本の成功例として日露戦争が描かれるが、その戦争の過程におけるさまざまな失敗が陸軍海軍と書き出されていく。成功例としては当時のハイテク技術を駆使した戦い方があるが、戦後秘密とされ出版物等に書かれなかった事より、日本自身が忘れ精神論に傾斜していったという笑えない話もある。2024/08/31
あっきぃ
1
一般的な日露戦争の内容プラス一般的な内容とは違う視点で日露戦争を理解する事ができる。導入本のような感じ。2011/03/10
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- 和書
- 岩波国語辞典 (第6版)