内容説明
アフリカは人間社会の混乱が凝縮した世界だ。破壊され尽くした自然、殺戮の爪痕。苦しみ悶え、臓腑を掻き乱しながらも、アフリカの人々はなぜ踊るのか?気鋭のフォトジャーナリストが歴史、文化を交えて案内する、アフリカの光と影。
目次
1 チュニジア―ヨーロッパに翻弄され続けた国
2 モロッコ―アラブとヨーロッパとアフリカの狭間で
3 モーリタニア―砂漠化する国
4 ギニア―軍事独裁国家の悲劇
5 シエラレオネ―戦火をくぐり抜けた国
6 コートジボワール―破壊される熱帯雨林
7 サントメ・プリンシペ―人口17万5千人の国
8 アンゴラ―戦い続けた国
9 ナミビア―女神の住む大地
10 南アフリカ―アパルトヘイトの過去を超えて
著者等紹介
桃井和馬[モモイカズマ]
1962年生まれ。フォトジャーナリスト。現代文明の有り様を「環境」「紛争」などの切り口から、120か国以上で取材を続けている。第32回太陽賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
秋 眉雄
20
NHK『こころの時代』で知った桃井和馬さんの視線や姿勢にうたれ、何か一冊をと手に取ったのが本書でした。善人ぶらない、硬派ぶらない、そんな人柄が滲む一冊。『女神よ、アフリカに祝福を。』2021/07/08
ジュール リブレ
9
知らないアフリカ、ありました。2010/10/18
マーク
3
27 それなりに楽しめたが、後書きとか少し大袈裟。旅しただけで理解できることはかなり限られるはず。校正レベル低い。勢力的。500年続いたアパルトヘイト。 ギニアのジャーナリスト。ナミビアのフィッシュリバー渓谷。2017/02/17
daidai
2
アフリカ大陸一周ツアーと並行して読む。 何回も本を閉じてしまったほど、彼らが受けてきた虐待は酷い、500年前から植民地政策、奴隷制度、列強諸国に利用され、内乱、そして今。前文にある「目の前に現れた現実は世界が抱えている問題のショーケースのようであまりに切なく、悲しい」この一言で全てを現している。 全てはヨーロッパ諸国が植民地政策をしたところから負の遺産が始まる。これが良かっただなんて絶対に言えない。2016/09/18
印度 洋一郎
2
アフリカ大陸を地中海沿岸のチュニジアから南端の南アフリカまで取材しながら縦断したルポルタージュ。内戦、治安悪化、政府の汚職、闇経済、環境破壊、絶望的な貧困と、「人間社会の負が凝縮したような(著者の表現)」アフリカの今が赤裸々に綴られている。著者は終始一般人(ジャーナリストだが)の目線で、ある時は社会の腐敗を見つめ、又ある時には雄大で圧倒的な自然に感動し、社会派ルポと旅行記が入り混じった内容。出会うアフリカの人々が悟りきったような諦観や底知れぬ絶望を抱えながらも、したかかに生きる姿が印象に残る。2013/01/21
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- 和書
- 四姉妹物語 扶桑社文庫