内容説明
「沖縄県民かく戦えり…」沖縄戦末期、地下壕の中より異例の電文を発して自決した大田海軍部隊司令官。そのとき11歳だった長男は高校教師となり、平和教育に打ち込み、やがて沖縄の地で「父」と再会する―。
目次
1 沖縄県民かく戦えり
2 家族の見た父の肖像
3 遺族たちの「戦後」
4 教師として生きる
5 平和教育にとりつかれて
6 沖縄で見た「父」
7 沖縄戦“追体験”の旅
8 呉にも「沖縄」があった
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
二人娘の父
6
大田實海軍中将の長男である英雄氏の著書。田村洋三氏の著作でもかなり引用されていたので、気になって読んでみた。実父が海軍中将かつ沖縄戦で自決。そうした歴史を背負って戦後を生きるというのは、想像がつかない困難や複雑さがあったと思われるが、その辺りのことがかなり率直に書かれていて興味深い。大田中将のご子息は、自衛隊に入隊されている方が二人おり、そういう点でも長男である英雄氏が歩んだ道(教師かつ平和運動にも参加)には大きな意味があると思われる。田村氏が紹介していないエピソードもあり、その意味についても考えている。2021/04/09