内容説明
地震はコンサートホールをも襲った!演奏の場を失った仙台フィルが辿った試練の道のり。そして、そこに手を差し押べた仲間たちの友情。“絆”はここでも結ばれた!―。
目次
東日本大震災から立ち上がる仙台フィルと山響
スタートした“マラソンコンサート”
被災地へ、そして全国へ
開かれた扉
真の復活・復興を目指して
紡がれゆく絆
駆けつけるアーティストたち
それぞれの想いに突き動かされて
一歩ずつの前進
岩手・宮城・山形〔ほか〕
著者等紹介
工藤一郎[クドウイチロウ]
1948年、山形県村山市生まれ。山形県立山形東高校在学中から和声法の大家・島岡譲氏に師事。東京藝術大学音楽学部作曲科に進学し、池内友次郎、島岡譲、矢代秋雄、永富正之、尾高惇忠の各氏に師事。卒業後は主に仙台市でいくつかの音楽関係団体の活動に関わり、その傍ら日本演奏連盟発行の「演奏年鑑」、芸術現代社発行の月刊「音楽現代」などに寄稿を続ける。宮城学院女子大学音楽科非常勤講師(和声法)。日本オルガン研究会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぶんこ
11
昨年から仙台フィルの復興支援コンサートに行っています。 そんなファンの一人として、仙台フィルが震災後に活躍された軌跡が記されていました。 お隣の山形交響楽団、坂本龍一さん他多数の方々の支援で、活動が耐えること無く、また被災者にも力を与えてきました。 音楽の持つ力は偉大だなと感じました。2014/03/26
ikedama99
7
図書館の震災コーナーにあった本を借りてきました。震災にあった仙台フィルの動きを、当事者の証言や関わった団体そのほかの証言を取り入れながらまとめた本。演奏会自体をやっていいのかという葛藤、場所を探す日々、他団体との協力(隣県の山形交響楽団)によるマーラーの演奏など。また、被災地をめぐる小グループなどにもふれられていた。音楽の持つ力を信じて、音楽を通して人々に接したいという思いが伝わってくる。2017/03/16
nahema(ナエマ)
2
ネットラジオプログラムからその存在を知り、私の中にある仙台フィル。天災が起きたとき、その支援には様々な方法があると思う。自らが万全でない中で、能力が最大限に活かされる支援の方法を見つけ、実行していく彼らの姿には、心を打たれずにいられなかった。ある団員の方は「音楽は道具のひとつ」だと謙遜されたけど、言葉や行動が見つけられないときの、音楽が持つ「癒す力」は、誰もが経験したことのあることではないだろうか。東日本の復興への道程は果てしない。私自身も、忘れずにささやかでも何かを続けていきたいと改めて感じた。2013/05/15