出版社内容情報
語形に即してその意味を考えれば、語の成りたちにも目を向けざるをえない。また、同じ語形で異なる機能を持つものについても考えることになる。こうしたプロセスの中から、語形の共通性から意味の連続性、体系性が見えてくる。
本書の基本的な考え方は,語形を出発点にして言葉の意味,機能を考えようとするところにある。言葉について考える時,語形をよりどころに考えを進めていくことは自然で無理がない。言語形式からすべてが説明できるものではないが,できるだけ語形に即してその意味を考えようとすれば,語の成りたちにも必然的に目を向けざるをえなくなる。また,同じ語形であっても異なる機能を持つために別の語として扱われているものについて,本当にそうなのか一度は疑ってかかることになる。こうしたプロセスの中で,語形の共通性から意味の連続性,時には体系性が見えてくると考える。(まえがきより)
目 次
第1部 語形の持つ陳述性
第1章 活用形の陳述性
第2部 語形から機能を知る
第2章 「ので」「のに」「だけで」「だけに」の分析
第3部 語形の体系性ー「って」の分析ー
第3章 「って」の構文的位置づけ―「と」による引用と「って」による引用の違い―
第4章 「だって」「たって」の本義とその用法の広がり
第5章 提題の「って」「ってば」「ったら」
第6章 「って」の体系
第4部 語形の持つ機能の連続性
第7章 話し言葉における「が」「けど」類の用法
第8章 「だ」が使われる時
第5部 品詞の間の連続性
第9章 品詞のさまざまなふるまい
【著者紹介】
一橋大学大学院法学研究科・教授.東京外国語大学大学院修士課程修了.一橋大学大学院言語社会研究科から博士(学術)の学位を取得.論著に「常用漢字表の改定が持つ意味」『言語文化』一橋大学語学研究室 2012,「介護福祉士国家試験の日本語―外国人介護従事者にとってのことばの問題―」『介護福祉学』Vol. 19-1.日本介護福祉学会 2012等.
内容説明
古語から現代語への連続性を体現する語形、そこから言葉の巧緻な構造が見えてくる!
目次
第1部 語形の持つ陳述性(活用形の陳述性)
第2部 語形から機能を知る(「ので」「のに」「だけで」「だけに」の分析)
第3部 語形の体系性―「って」の分析(「って」の構文的位置づけ―「と」による引用と「って」による引用の違い;「だって」「たって」の本義とその用法の広がり;課題の「って」「ってば」「ったら」;「って」の体系)
第4部 語形の持つ機能の連続性(話し言葉における「が」「けど」類の用法;「だ」が使われる時)
第5部 品詞の間の連続性(品詞のさまざまなふるまい)
著者等紹介
三枝令子[サエグサレイコ]
一橋大学大学院法学研究科・教授。東京外国語大学大学院修士課程修了。一橋大学大学院言語社会研究科から博士(学術)の学位を取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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