内容説明
茨城県南西部で話されている水海道(みつかいどう)方言に着目。著者は現代言語学、とりわけ生成統語論や関係文法の方法と知見に精通し、すでに確立した標準的な道具立てを駆使しながら、標準日本語との比較考量を通して水海道方言の特異性を浮き彫りにしている。なかでも標準語にはない二重対格構文や斜格主語構文の分析を通して水海道方言の格形式の特質および格形式間の相対的役割を突き止め、ひいては格体系の全体像を描きだすことに成功している。
目次
第1部 連体修飾構造および単文(音韻論と形態論の概観;連体修飾格;有生対格と無生対格の統語論;斜格名詞句における文法関係;連体修飾構造と単文における格の範疇)
第2部 複合述語文における斜格名詞句(主語に対応する斜格名詞句;複合型希求構文;受益構文;使役文;受動文 ほか)
著者等紹介
佐々木冠[ササキカン]
1966年宮城県生まれ。筑波大学第一学群人文学類卒業。筑波大学大学院博士課程文芸・言語研究科単位取得退学。筑波大学文芸・言語学系助手。現在、札幌学院大学商学部助教授
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