内容説明
18世紀末、水の都ヴェネチア。光に満ちた干潟にある日ひとりの美しい若者が打上げられる。伯爵の使用人となったなぞの若者アンドレアは、水と、空、そして光線の輝きと動きとをあるがまま描き出していく。ゴンドラ、運河沿いの隠れ家、人目をしのぶ人妻との逢瀬。そして、激しい嫉妬の果てにおとずれた恋の結末とは―。
著者等紹介
オルトハイル,ハンス‐ヨゼフ[オルトハイル,ハンスヨゼフ][Ortheil,Hanns‐Josef]
1951年、ドイツ、ケルン生まれ。マインツ、ローマ、ゲッチンゲン、パリで音楽、哲学、文学を学び、早くから映画評論、音楽評論の分野で活躍する。1979年、「Fermer」で文壇デビュー。各地の大学で教鞭をとりながら多数のエッセイ、小説を執筆。ことに1998年から2000年にかけて発表した芸術家三部作は評価が高い
鈴木久仁子[スズキクニコ]
上智大学外国語学部ドイツ語科卒業
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