内容説明
『最後の晩餐』完成間近。作品完成のためにはユダの顔が欠けていた。キリストを裏切ったユダとは、どんな顔をしているのだろうか…。レオナルド・ダ・ヴィンチは、自らのイメージにかなう「ユダ」を求めてミラノの街を徘徊する。レオナルドのとらえたユダとはどのような人物だったのか?栄華をきわめたモーロ公のミラノを舞台に、『最後の晩餐』のユダをめぐる、愛と裏切りの生彩に富んだ歴史小説。
著者等紹介
ペルッツ,レオ[ペルッツ,レオ][Perutz,Leo]
1882年プラハ生まれ。1899年ウィーンへ移住、1915年処女作『第三の球』発表直後、第一次大戦東部戦線にて重傷を負う。1938年ナチのウィーン侵攻に伴い、イスラエルに移住、独語とヘブライ語で執筆。歴史小説を得意とし、流麗な文体と緊迫感あふれるスリリングな展開の諸作品はいずれもヨーロッパ各国語に翻訳され、国際的に高く評価されている。1957年ザルツカンマーグートにて死去
鈴木芳子[スズキヨシコ]
1987年早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。ドイツ文学専攻・翻訳家。1999年ゲーテ・エッセーコンクール受賞(独語)
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