内容説明
かつて“炭鉱地帯”といわれた地域が、日本の近代化を支え、戦後の復興を築いた。過酷な労働や悲惨な日常の中にもあった、当たり前の生活と暮らしの集積。“エネルギー革命”で壊滅させられた“風景”をとらえた、土門拳賞作家による名写真集を増補改訂した新版。
著者等紹介
本橋成一[モトハシセイイチ]
1963年自由学園卒業。1968年「炭鉱(ヤマ)」で第5回太陽賞受賞。1995年写真集「無限抱擁」で日本写真協会賞年度賞、写真の会賞を受賞。1998年「ナージャの村」で第17回土門拳賞受賞。同名の初監督ドキュメンタリー映画作品は文化庁優秀映画作品賞を受賞したのを始め、海外でも高い評価を受ける。2002年映画2作目の「アレクセイと泉」で第52回ベルリン国際映画祭ベルリナー新聞賞及び国際シネクラブ賞ほか受賞。2013年写真集「屠場(とば)」「上野駅の幕間(新装改訂版)」で日本写真協会賞作家賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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チェアー
7
日本人は炭鉱という産業を棄てた。 そこで働く人を棄てた。 高度成長は産業棄民とセットだった。 炭鉱で働く人の誇りも喜びもかなぐり捨て、日本人は経済を取ったのだ。それまでの恩恵も忘れて。 だから炭鉱は過去のものではない。イマのものだ。 思い起こし、再度目をこらさなければならないものだ。 2021/08/21
wknwkn
3
炭坑夫というと危険な仕事だけどバリバリ稼いでイケイケ、というイメージを持っていたのだけど、閉山に伴う大量失業など、社会的弱者だったのだなぁと感じた。閉山後の元炭鉱の町が賑わうのは生活保護の受給日で、そこで幅を利かせるのは高利貸しというのは、本当に悲しい。そういえば本橋成一を知ったきっかけが山本作兵衛の展覧会だったことを思い出し、最後の作兵衛翁とのエピソードはぐっときた。日本の高度成長期を支えた鉱夫たちを忘れてはいけないと思いました。2017/07/01
何だか
0
北海道の炭鉱の写真が見たかったけど、あまり入っていなかった2015/08/29
onepei
0
どちらかというと暮らしのほうに重点を置いた写真集。ただ事故の写真には言葉が見つからない。2015/03/22
RED
0
軍艦島を訪れてから、炭鉱の産業に興味が湧いている。どんな生活だったのか、まだまだ計り知れない。1冊目の本書は写真集。廃坑になる前の暮らし、なった後の暮らしは共に、常に暗い。詳しい生活も違う本で見ていこう。2021/03/18