出版社内容情報
日中戦争・太平洋戦争後80年をむかえた2025年、これまでに製作された、戦争を扱った多くの映画作品を戦争の史実と共に紹介し、映画から学ぶべきこと、そして映画人からのメッセージを1冊にまとめました。戦争という行為が、再び考えさせられる現在だからこそ読むべき1冊です。 【主な内容】●映画と戦争をめぐる映画人のことば(山田洋次、香川京子、吉永小百合、塚本晋也、片渕須直、渡辺浩、新藤兼人、黒木和雄、山田太一、降旗康男、大林宣彦) ●日中戦争、太平洋戦争の歴史と映画132選(史実と関連映画を掲載) ●伊丹万作「戦争責任の問題」 ●【座談会】映画は戦争の何を映すのか ●時代別 戦争映画論
【目次】
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒトコ
3
戦争と映画。つい満州映画やレニ・リーフェンシュタールなどプロパガンダ映画を思い浮かべてしまうが、本書で戦争体験者が高齢化するなか「記憶をつなぐ」という役割もあるのだと思い至る。吉永小百合さんの言葉も載っているが、若い時に映画「ひめゆりの塔」を見なかったら沖縄戦の悲惨さを知らなかったかもしれない。映画監督伊丹万作さんが終戦の翌年雑誌に発表した「戦争責任者の問題」で、戦後多くの人が「だまされた」と言っているが、人がだまされると次に別の誰かをだまして行くという怖さを指摘しているのに、ハッとさせられた。2025/08/15