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内容説明
不穏な謎の群舞、異形のアニメ『ピンドラ』…『まどマギ』論に続いて、その霊峰に気鋭が挑む超絶論理、全開評論。
目次
序章 輪る物語の回廊へ
第1章 『少女革命ウテナ』をめぐって―全体主義三部作1
第2章 『輪るピングドラム』―「生存戦略」と「運命」
第3章 『風の谷のナウシカ』―全体主義三部作2
第4章 『新世紀エヴァンゲリオン』―全体主義三部作3
第5章 運命と愛―『輪るピングドラム』
著者等紹介
山川賢一[ヤマカワケンイチ]
1977年愛知県生まれ。名古屋大学大学院文学部人文学科フランス文学専攻修了後、会社員、予備校講師を経て文筆活動に移る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヤギ郎
16
幾原邦彦監督アニメ作品『輪るピングドラム』の評論。本書のあとがきにおいて、筆者は「まちがいや見当外れもあるだろうけれど、全体を一通り貫く自分なりの解釈を示して」(228頁)いるといっている。丁寧にセリフや文献の引用をしているので、本書を叩き台に『輪るピングドラム』を考察するのもよいだろう。おもしろい本を読んだ。2019/05/25
しおり
6
輪るピングドラムだけではなく同じ監督が手掛けた少女革命ウテナや関りがある風の谷のナウシカ・旧エヴァも俎上に上がっていた。「この作品と関連があるのでは?」とたくさんの作品の名前が挙がっていてちょっとポカンとなった。現行の生存戦略では自分たちに決して実りの果実を与えてくれない。それを革命、変えるのが運命日記。運命を受け入れ、無償の愛で内的な解決を図るのがピングドラム?運命の意味の変化、渡瀬の暗躍とか内容を整理できた点は良かった。何度見てもよくわからない。でも見るたびに引き込まれる。まだ迷宮から出られない2020/07/14
磁石
3
肥大化しすぎた独裁と、細分化されすぎた革命。どちらも個人としての極限を超えてしまい、呪いか亡霊のようなものになってしまっている。しかしそれが、社会を規定している。それが作った「リアル」の中で人は、生きていかなくてはならない。 アニメを見終わったときに感じたもやもやが、きちんと整理されたような気がした。だけど、前作の「少女革命ウテナ」の記述が多数あるので見ていないと、幾原監督の変化と成長というのは、実感しづらいかもしれない。2012/07/15
あんすこむたん
2
あの複雑なアニメをここまで、詳しく解説できる人はそういないだろう。ナウシカとエヴァについてはもっと語ることを絞って、「銀河鉄道の夜」についてはもっと触れてもいいような気もするが、質が高い評論なのは間違いない。2014/12/12
由崎悠
2
面白いところとそうでないところ半々ですが「もっかい輪るピングドラム見よう」と思わせてくれるので、評論としてきちんと機能を果たしていると思います。2014/03/13