内容説明
1971年、中央大学の3年生だった矢内廣とその仲間たちは自分たちが欲しい情報が載った雑誌を自分たち自身で作ろうと考えた。そして1972年7月、安アパートから手探りで創刊された日本初の情報誌『ぴあ』は、やがて誰もが知る50万部雑誌へと成長していく。映画専門出版社の社員としてひとつの雑誌の誕生から終焉までを目撃してきた筆者が綿密な関係者取材によって綴る渾身の「ぴあ年代記」。
目次
序章 『ぴあ』の休刊
第1章 『ぴあ』の胎動
第2章 『ぴあ』の誕生
第3章 『ぴあ』の躍進
第4章 『ぴあ』の挑戦
第5章 『ぴあ』の成熟
第6章 『ぴあ』の時代
付録 『ぴあ』の時代年表
著者等紹介
掛尾良夫[カケオヨシオ]
1950年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。広告代理店を経て、78年にキネマ旬報社入社。NHKサンダンス国際賞の立ち上げ、韓国の映画週刊誌「シネ21」との提携、「キネマ旬報」編集長などを歴任後、04年10月、キネマ旬報映画総合研究所所長に就任。10年4月、同エクゼクティブディレクターに就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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がっち
3
私はぴあの世代ではなく、本を手に取ったことがないが、チケットぴあのほうでとてもお世話になっている。矢内社長はそのときからカリスマだったんだなぁと実感し、ネットでことが足りるような世の中になってしまった今、どのようなぴあを見せるかそれをみたい。そしてこれには語られていなかった。2012/08/23
koji
2
「ぴあ」にはお世話になりました。休刊(廃刊)の報には「しみじみ」してしまいました。しかし、「ぴあ」を手に取らなくなって10数年。もはや情報は「ネット」で用がすみます。本書は、1950年生まれという「微妙な立ち位置」の「不思議な縁」をもつ「ぴあ共同体」の人たちの世代文化論として面白く読みました。東映大泉のぴあ展の「熱気」が本書の一番の読みどころで、こちらも燃えたぎってしまいました。2012/06/15
最終バック九番手
2
2012年で創業40周年になるが前半の92年までの話が大半を占めている…ぴあMAPの出始めの頃は勝手に親近感を覚えるくらい好印象だったんだけど汐留PITあたりから一般人とはどんどん距離が離れていった感じがあって東証上場で決定的に突き放されたような気がした…年表:あり…参考文献:あり…初版第1刷発行:2011年12月30日…本体1300円2012/03/31
Shuhei Amaya
2
矢内社長、カリスマ性のある方なんだろうな。私はぴあ世代ではないから、絶頂期のぴあの話は「ふーんそうですか」程度。立ち上げの頃の話やぴあチケットの話は唸らされた。しかしむしろ、これから矢内社長がなにをしようとしているのかを知りたかった。これではもう終わってしまった会社みたいじゃないか!?2012/03/07
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1
『ぴあ』がどのように誕生して成長したのかを整理した本。創成期のドタバタっぷり、営業の苦労エピソードは面白かったが、中盤は少し駆け足だった…。2020/12/25