内容説明
『ヒッチコック―映画と生涯』の著者ドナルド・スポトーが、ヒッチコックの全作品を緻密に分析。華麗なキャメラ・テクニックを徹底解剖し、巧妙なストーリーとウィットに富んだセリフの裏に隠された、ヒッチコック作品を貫くテーマを探求する。ファン必読の、ヒッチコック研究書決定版。フィルモグラフィ&『ファミリー・プロット』絵コンテつき。
目次
サイレント映画
恐喝
初期のトーキー映画
三十九夜
間謀最後の日
サボタージュ
第3逃亡者
ハルカン超特急
巌窟の野獣
レベッカ
海外特派員
スミス夫妻
断崖〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
4
ヒッチコック作品のほぼ全てを「映像」にこだわって分析。カメラアングル、ライティング、展開、キャラクターの描写などを紐解いていくと、従来のイメージとは異なる印象になる作品もある。中でも「めまい」に対する並々ならぬ情熱が印象的だが、いささか熱がこもり過ぎて「深読み」ではないかという気もする。むしろ、「山羊座のもとに」とか「トパーズ」のような失敗作から、何か観るべき部分はないかと努力しているところに著者の上手さを感じる。「私は告白する」での、ヒロインの妄想に着目した視点は、観直してみたくなる分析だった。2021/09/11
hata2
0
ページ数によって、作品に対する熱量がわかる。「めまい」が他の作品の数倍のページ数を使っていることより、この作品に対し、偏愛ともいうべき熱量を著者が持っていることが分かる。2017/10/10
Gen Kato
0
再読。作品のみにしぼったヒッチコック映画論集。同時代には衝撃的でも、現在の眼で見ると今ひとつぴんと来なかったり、逆に古くさいとかマンネリだとか評された作品が、時代を超えてみると輝きを放ってくることがあるのも映画の面白さ。2014/07/15
sakamoto
0
序文が王妃…2013/02/04