内容説明
中国の宋代思想を中心に、儒教や道教、仏教にかかわる諸研究を収めた論文集。1では周惇頤・王安石の思想史的解明や近世宗族について、2では難解な書として定評のある『悟真篇』の基礎理論と実践技法の解明など、3では『大乗起信論』がインド撰述であること、4では中国思想全般についてと、広範な分野にわたって論じられ、随所で新たな知見が披瀝されている。
目次
1 儒教の研究(周惇頤について―人脈・政治・思想;王安石『周官新義』の考察;『性理大全』の成立と『朱子成書』―また黄瑠節および元代の江西朱子学派について;近世宗族研究における問題点―祠堂・始祖祭祀・大家族主義)
2 道教の研究(『易経』の理論と道教;『悟真篇』の内丹思想;『悟真篇』研究史と考証;宋代の景霊宮について―道教祭祀と儒教祭祀の交差)
3 仏教の研究(『大乗起信論』の概念と修辞と撰者―中国学の立場から)
4 中国学汎論(儒教および中国思想史研究の再考;中国思想史研究と対話;『易』の成立とその原理;岩波文庫『孟子』を疑う;『続修四庫全書』と四庫関連叢書;二程の墓;大阪道明寺天満宮の釈奠について)
著者等紹介
吾妻重二[アズマジュウジ]
1956年生まれ。関西大学文学部教授。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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