内容説明
かつて、ひなびた片田舎の隅々まで、語り物や歌い物、民謡やはやり唄を送り届けた盲目の女性唄芸人―瞽女。瞽女仲間の活動は、近世中頃より末頃にかけてが最盛期であり、明治以降、急速に衰えたが、越後では明治期にも、長岡瞽女や高田瞽女など、七百人ほどの日本最大の瞽女集団を形成していた。瞽女門付けの最後を飾ったのは、長岡瞽女の金子セキさん・中静ミサオさんと、手引きの関谷ハナさんの三人組であるが、それは昭和52年の春旅をもって終わり、これで、日本の門付け瞽女の実働の姿を見ることに、終止符が打たれたのである。著者が調査に入ったのは、越後瞽女の巡業活動の最末期であったが、本書は、当時の貴重な写真や聞き書きなどをもとに、盲目の旅芸人の姿を描く。
目次
1 「瞽女」前史
2 瞽女仲間の由来
3 瞽女縁起
4 瞽女仲間の自治体制
5 中越瞽女矯風会
6 瞽女の弟子入り
7 稽古を始める
8 寒稽古
9 初旅
10 門付けの様態
11 瞽女宿
12 三国の峠越え
13 危険な旅路
14 はるかに遠い旅
15 米沢への旅
16 正月をことほぐ
17 長岡瞽女の妙音講
18 瞽女屋は唄の稽古所
19 高田瞽女の妙音講
20 年明きの妙音講
21 頭屋制の瞽女御講
22 祭駆けから門付けの旅へ
23 瞽女唄の演目
24 語り物の系譜
25 祭文松坂の語りの仕組み
26 祭文松坂の語りの表現
27 口説の発生と内容
著者等紹介
鈴木昭英[スズキショウエイ]
1932年11月12日、新潟県長岡市に生まれる。大谷大学大学院文学研究科博士課程満期退学。大阪市立博物館学芸員、長岡市立科学博物館長、長岡市郷土史料館長を歴任。博士(文学)。現在、瞽女唄ネットワーク会長、瞽女文化を顕彰する会理事、日本宗教民俗学会代表、日本山岳修験学会理事、日本民俗学会評議員、民俗芸能学会評議員、新潟県民俗学会理事など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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