内容説明
健康そのものだった私(著者)は、一夜にして健常者から障害者となった。何の前触れもなく。左手足と右目の機能を失ったけれど、そのことで損をしたとか、病気さえしていなければ…なんて思うのは、まっぴらごめんだ。どうあがいても、この身体を元通りにすることは自分の力ではどうにもなりそうにない。それならば、この身体になったけど良かったじゃんと思えるようになればいいんだ。
目次
晴れのちくも膜下「落雷~薄曇」(頭の中がスペースワールド;意識のない私の行動;続きが気になる…;天敵手袋 ほか)
晴れのちくも膜下「脳天気」(予感;私の憧れ…;120円;夜飲めば、朝には元通りな薬 ほか)
著者等紹介
有田直子[アリタナオコ]
1972年広島県生まれ福岡県育ちの27才。九州産業大学芸術学部写真学科在籍中に、脳内出血&くも膜下出血で倒れる。現在は、リハビリに通いながら自宅で生活。福岡市在住
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ココアにんにく
3
『昏睡Days』を読んだのがきっかけ。16年前の出版だけど図書館の開架に置かれていた。誰にでも起こりうる急性の疾患。クモ膜下出血は特に有名ですが、患者本人の手記は少ないので貴重です。意識不明の時の記憶を読んでいると、小説『食堂つばめ』を思い浮かべました。まずは食欲があることが生きる力の証。障害を受け入れて積極的なリハビリ。他にもたくさんの学びが詰まった本です。誰もが必要な時にすぐ手にとれるように、図書館の開架にありつづけてほしい本。病院の談話室にも置いてほしい一冊です。貞岡さんのイラストが文にぴったり。2016/08/22
ゆうゆう
1
父の病気を機に、くも膜下出血の本を探していた。女子大生が突然の頭痛により病気になり、リハビリを経て、生活している様子が描かれる。手術や体の状態などは役立つ。病気になった当人がどうしたいのか、障害が残ってどのような生きる目標を作ってあげたらいいのか。介護する側としては参考になる話がいくつかあった。2011/12/25