内容説明
ユング心理学のパラダイム転換。もののけがあなたを救う!オカルトビジネス、援助交際、神戸小学生殺人事件、エヴァンゲリオンブームを過激に読み解き自分を越えた何かに出会う道を教えます。
目次
第1章 「超」簡略版ユング心理学入門(無意識は世界という舞台の楽屋裏;夢は無意識への通路)
第2章 精神世界の世紀末(「カルト資本主義」と日本の現実;「終わりなき日常」という終末論;「もののけ」化する世紀末)
第3章 神に憑かれた少年たち(生首の意味 酒鬼薔薇事件のメッセージ;『エヴァンゲリオン』は現代の福音か)
第4章 近代という病を癒すユング(近代の閉塞状況と幻想;救いは危機の中にこそある)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三田郎
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ユング入門書+80〜90年代の世相解説。エヴァ評論などもあって面白い。近代を神の死んだ世界と捉えるのは一般的なポモ本の主張であるが、この本ではこれに加えてユングの集合無意識に注目する。無意識、そしてそこに特徴的に存在する古代的神学的なテーマが排除された近代の病理を主張。ユング自体だいぶオカルティックであるが、無意識との対話により、少しでも意識化世界に安らぎというか落ち着きをもたらそうという意見には賛同する。勘違いされることが多いようだが(私もそうだった)、オカルトを信じて救われろ!というわけではない。2022/01/02