内容説明
茨城県が生んだ水墨画の巨匠、雪村。「西の雪舟、東の雪村」と並び称されてきた。国指定重要文化財9点というのは、茨城県出身の芸術家では並ぶ者がいない多さである。にもかかわらず、県民に知られていない。本書は、その雪村の生涯に迫る力作だ。過去の雪村研究の成果を踏まえつつ、関係する寺院や伝承地、史跡を丹念に回り、関係者への取材から、多面的に人物像に迫っている。さらに生誕地にまつわる地元の伝承などを取り込み、雪村が生きた時代背景にも触れた。五百年も前に生きた郷土の偉大な芸術家・雪村を知る格好の入門書といえる。
目次
第1部 生誕から出国(二つの生誕説;出身は佐竹氏;出身地論争 ほか)
第2部 画聖への道(会津の蘆名盛氏;鹿沼の今宮神社;長林寺 ほか)
第3部 追慕の軌跡(一元紹碩;尾形光琳の思い;立原翠軒の記録 ほか)
著者等紹介
冨山章一[トミヤマショウイチ]
1949年、茨城県常陸大宮市生まれ。茨城県立太田第一高等学校、専修大学法学部法律学科卒。1976年、茨城新聞社入社。記者、総務局人事部長、企画情報局長、経営戦略室長、役員室長などを歴任。2015年、退職。茨城県郷土文化研究会会長、常陸佐竹研究会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Tatsuhito Matsuzaki
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茨城県出身の「文化的偉人」で思い浮かべる横山大観、板谷波山。 両氏の作品は其々2点ずつが国重要文化財の指定されています。 ところが、水墨画の巨匠 雪村周継(常陸大宮市出身)は現存する作品中、9点が重文に指定されているのです! 「西の雪舟、東の雪村」と並び評された雪村に光を当てる本書(2016年茨城新聞連載)は、やはり常陸大宮市出身で地元茨城新聞社におられた著者ならではと感じました。 そして、あとがきに「のびしろ日本一。いばらき県」の引用が...感謝&同感です! 2017/09/23