札幌学院大学選書
哲学的人間学の系譜―シェーラー、プレスナー、ゲーレンの人間論

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  • サイズ A5判/ページ数 349p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784872620122
  • NDC分類 134.9
  • Cコード C3010

内容説明

人間の探究を哲学研究の中心的課題として掲げた「哲学的人間学」の展開過程は、人間にかんする自然人類学、生物学、精神分析、心理学、社会学などの当時の人文・自然科学の最良の成果をふまえながら、これらを総合することによって、改めて「人間とは何か」、人間はどの点で他の生物と本質的に区別されるのかなどという本質的な問題に迫ろうとした注目すべき試みのひとつである。本書では、シェーラーによってその出発点と理論的枠組みが与えられた「哲学的人間学」の思想の系譜を考察の対象とし、この学派にぞくするシェーラー、プレスナー、ゲーレンの代表的な三人の思想家を取り上げて、それぞれの人間学思想の個性的な特徴を明らかにするとともに、それぞれの人間観の同一性と差異性とを明らかにしたい。そして、創始者であるシェーラーの思想と概念装置がその後継者たちによってどのようにして継承され、どのようにして批判され、またどのようにして新たな創造を付与されていったのか、またこの展開過程はいったい何をその帰結としてもたらしたのかを明らかにしたい。

目次

第1部 マックス・シェーラーの人間論(シェーラーの哲学的人間学の成立;シェーラーの課題意識と哲学的人間学の方法;人間の自己認識の歴史と人間類型論 ほか)
第2部 ヘルムート・プレスナーの人間論(プレスナーによる哲学的人間学の成立とその背景;プレスナーの哲学的人間学の諸前提;生命性の現存在様式と位置性の概念 ほか)
第3部 アルノルト・ゲーレンの人間論(ゲーレンとその哲学的人間学の成立;「欠陥生物」論と人間の進化の問題;ゲーレン人間学の出発点としての「行為」の概念 ほか)

著者等紹介

奥谷浩一[オクヤコウイチ]
1946年北海道札幌市生まれ。北海道大学文学部哲学科卒業。北海道大学大学院文学研究科修士課程修了。同博士課程単位取得。哲学・倫理学専攻。現在、札幌学院大学人文学部教授
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