内容説明
ドイツ憲法学の知見により基本権の構造や具体的な判例を素材としながら、日本における固有の状況もとらえて日本国憲法下の基本権保障を問い直す。
目次
第1部 防御権のドグマーティクの法的構造(問題と課題;防禦権のドグマーティクの基本構造;基本権の保護領域と基本権制約;基本権制約の正当化)
第2部 防禦権のドグマーティクの実践的有用性―連邦憲法裁判所の国勢調査判決を素材にして(1983年国勢調査判決の法・政治・社会状況;基本権の保護領域論;基本権制約論;憲法的正当化論)
第3部 防禦権のドグマーティクの受容可能性(基本権の保護領域の理論;形式的正当化論としての法律の留保原則;実質的正当化論としての判例理論)
著者等紹介
松本和彦[マツモトカズヒコ]
1964年生まれ。大阪府出身。1994年大阪大学大学院法学研究科博士課程修了後、大阪大学法学部助手、大阪学院大学法学部講師を経て、現在、大阪大学大学院法学研究科助教授。博士(法学・大阪大学)
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感想・レビュー
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わんぱら
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いまをときめく三段階審査を最初に詳細な形で日本に紹介・導入した本。わかりやすく丁寧な記述なので非常に読みやすい。議論としても、一方で「合理的な議論の場を作る」という目標を掲げつつ、他方でその目標に由来する限界を意識した議論になっており、非常に堅実。比較法としてのお手本になりそう。 新四人本でこの本の方法論が貫かれているかはよくわからない。この範囲では第一段階保障範囲では具体的に保護法益まで解明することが重要視されているが、新四人本ではそこまででもない印象。ちゃんと読んだら違うのかもやけど。2019/07/29