批評空間叢書<br> 坂口安吾と中上健次

批評空間叢書
坂口安吾と中上健次

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  • サイズ B6判/ページ数 308p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784872332650
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0095

内容説明

中上健次は柄谷行人との25年の盟友関係に別れを告げて、’92年に没した。柄谷は’74年に中上について初めての小品を書く。翌年には初めての安吾論を発表する。柄谷は安吾に「文学のふるさと」を見る。だが「ふるさと」とは想像的な風景ではなく、無機的で「突き放される」非意味の、しかも「懐かしい」場所である。この「ふるさと」は中上健次の「路地」において、そして柄谷行人の「批評」においていかに反復されるのだろうか。本書は安吾読解に画期をもたらした「『日本文化私観』論」を収めるとともに、同時代をともに生きた中上健次との軌跡を網羅した、柄谷的「ふるさと」を示す記念碑的著作である。

目次

第1部 坂口安吾をめぐって(『日本文化私観』論;安吾、理性の狂気 ほか)
第2部 中上健次をめぐって(「十九歳の地図」書評;中上健次論抄 ほか)
第3部 安吾と中上をめぐって―関井光男との対話(安吾の可能性;闘争する知性と文学)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヤマニシ

1
「中上はフォークナーを読んで、ただちにそれを紀州と結びつけたのではない。彼はむしろ蟻二郎の『フォークナーの小説群』の影響を受けたのだ、と私は確信している。蟻二郎は、フォークナーを理解するために柳田・折口という日本の民俗学を導入した。そのことが、中上にとって、「南部」と紀州をつなぐきっかけを与えたといってよい。」(p232「フォークナー・中上健次・大橋健三郎」)2023/05/27

 

1
再読。2017/08/07

amanon

1
内容はともかくとして、どうして中上と安吾なのか?というのがよく分からない。ただ、安吾に対する興味はわいたけれど。無頼派の作家というイメージしかなかった安吾には実は色々な面があるということに気づかされた。それから、中上と柄谷と言えば、殆ど二人一組みたいなイメージを持っていたのだが、実は結構距離があったり、中上が柄谷のことを悪く言うといった場面もあったという話が面白かった。そういう経緯がありながらも、柄谷が常に中上のことを思いやっていたということが如実に伝わってくる。改めて中上の早世が悔やまれる。2012/12/08

シロツメ

0
自分が文章のままに受け取っていた部分について、著者がもっと踏み込んで論じているのを読んでると作品は読めても自分自身に前提となる知識や思考が足りないと違った世界が見えるということを感じた。中上健次の作品は未読だが、この本の第二~三部を読んで機会があれば読もうと思えた。2017/08/29

むじな

0
読書の師匠である友人からの課題図書。『言葉と悲劇』と併せて奨められなんとか読了。まだまだ、井の中のむじな、大海を知らず。2014/02/09

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