内容説明
『おんなの歴史』や『信濃のおんな』で時代を拓き社会を瞠目させた女性史研究家―1世紀近い歩みと唯一無比の言葉をとことん掘り下げ、その思想の根源性と今日性に迫る。
目次
第1章 志縁へと(「嫁に行かず勉強したい女は非国民」―敗戦で「見て、考える」覚悟の芽生え;「私たちは一票しか闘う場所がない」―市川房枝の遺志を継いで ほか)
第2章 志縁に生きて(佐久の拠点「志縁の苑」―集う人を照らす「灯台」に;「今を生きるあなたが後世の女性史」―平和願う舞に生きざま ほか)
第3章 志縁を拓く(もろさわさんは「私たちの歴史家」―どう生きれば、足元照らす(斎藤真理子さん(翻訳家))
『おんな・部落・沖縄』の問題提起―女性史・ジェンダー史研究の入り口(大串潤児さん(信州大学人文学部教授)) ほか)
第4章 おんなたちへ―もろさわようこが紡いだことば(『信濃のおんな』より;『おんなの戦後史』より ほか)
第5章 沖縄から見た“新型コロナ”―もろさわようこが語る「いま」(「コロナは怖いけれども、戦争よりはましです」;むき出しの米国支配、容認するヤマト―問題意識持ち、連帯を ほか)
著者等紹介
河原千春[カワハラチハル]
1982年横浜市生まれ。国際基督教大学卒業後、2007年信濃毎日新聞社入社。飯田支社、長野本社報道部を経て、文化部に異動。現在は芸能面を担当。共著『認知症と長寿社会―笑顔のままで』で新聞協会賞、JCJ賞ほか受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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クァベギ
3
今年2月に亡くなったもろさわようこさんのことを取り上げた『毎日新聞』podcast番組で小国記者が「今に切り結ぶならこの1冊」として紹介されていたので読んでみることに。もろさわさんの半生を紹介する章や、彼女と縁のあった人々(翻訳家の斎藤真理子さんやジェンダー史研究者の平井和子さんなど)へのインタビューの章、またもろさわさんの過去の著作や講演録を転載した章などからなる。予想をはるかに上回る濃密な内容で、私は圧倒された。物事の根源をしっかり見つめたという意味で、もろさわさんはラディカルだったのだなと感じた⇒2024/04/14
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