目次
第1章 共生社会の実現に向けた地域コアリーダープログラムとは?(共生社会とは?;地域コアリーダープログラムの概要と魅力;2019年度障害者分野イタリア派遣について)
第2章 日本とイタリアの教育について(フル・インクルーシブ教育とインクルーシブ教育の違い―日本の障害児教育の歴史とインクルーシブ教育の考え方;イタリアでのフル・インクルーシブ教育の歴史;現在のフル・インクルーシブ教育の現場(アントニオ・ロスミニ小学校))
第3章 障害のある人を支える様々な機関や団体(フル・インクルーシブ教育を支えるイタリア社会の連携;バチカン博物館(Musel Vaticani)
ローマ市役所(Comune di Roma)
筋ジストロフィー・イタリア組合
スペシャルオリンピックス・イタリア教会(Special Plympics Italia)
社会的協同組合 全国協同組合連合会(Legacoop)
視覚障害研究所(Institute dei Ciechi di Milano)
マジカ・ムジカ協会(Associazione Magica Musica))
第4章 障害のある人はイタリアでどのような暮らしをしているのか?(アンジェルマン症候群を有するLさん(31歳)のご家庭
ダウン症候群を有するSさん(45歳)のご家庭)
第5章 日本での共生社会実現に向けたヒント(イタリアのフル・インクルーシブ教育実践における課題;誰もが暮らしやすい社会を目指すヒントとなるイタリア人の声;フル・インクルシーブな社会を目指す日本での実践事例―カラフルの挑戦)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
じゃがたろう
2
このような報告書はありがたい。リアルな状況を見聞きできる貴重な書籍だと感じた。現地にいきたくてもいけない人々に還元してくれる、公的な報告までを派遣や現地調査のセットとしてほしい。インクルージョンと一口にいえど、その文化や風土を創り上げることは一朝一夕にならずということを感じた。また、良い・悪いの評価ではなく、なぜそのような取り組みが行われているのか等の側面に着目したいと思った。個人的には要所としての「もっと詳しく知りたい」「学びのポイント」、巻末にテキストデータ提供のお知らせがあることが良いと感じた。2024/04/18
Olga
2
インクルーシブ教育を推進するイタリアの実態を調査するために派遣されたメンバーの報告書を冊子にまとめ、クラウドファンディングで出版したもの。今のイタリアの状況が問題点・疑問点を含めてまとめられていて、参考になる。学校の支援教員のこと、地下鉄ローマ・テルミニ駅のエレベーターのことなど、理想の実現に予算という壁が立ちはだかっているのがよくわかった。学校を出てからのことは今後の課題なのだろうか。家庭訪問した成人の当事者が2名とも親と同居していて、結局は家族が面倒をみるのか? 親に先立たれたあとは?などと考える。2021/06/25