内容説明
失われた世代、就職氷河期世代、貧乏くじ世代、非正規第一世代、自己責任呪縛世代、そして「戦争論」世代…。ロスジェネをめぐるすべてを、ロスジェネ5人が徹底的に語り合った、あまりにも刺激的な対話の記録。
目次
序章 ロスジェネをめぐるこの十数年(宝塚市の求人に1800人;ロスジェネは何を失ったのか ほか)
第1章 ロスジェネと『戦争論』、そして歴史修正主義(私の「黒歴史」。なぜ、右翼に入ったのか;とにかく死にたかった ほか)
第2章 ロスジェネ女性、私たちの身に起きたこと(過去形のロスジェネ;対談 貴戸理恵×雨宮処凛)
第3章 「自己責任」と江戸時代(日本的「自己責任の呪縛」;江戸時代の自己責任論とは ほか)
第4章 貧乏だけど世界中に友達がいるロスジェネ(「貧乏を楽しむ」達人、登場!!;アジアの人々との連帯も ほか)
著者等紹介
雨宮処凛[アマミヤカリン]
1975年、北海道生まれ。作家・活動家。フリーターなどを経て2000年、自伝的エッセイ『生き地獄天国』(太田出版/ちくま文庫)でデビュー。2006年からは貧困問題に取り組み、『生きさせろ!難民化する若者たち』(太田出版/ちくま文庫)はJCJ賞(日本ジャーナリスト会議賞)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒデミン@もも
38
ロスジェネのすべてを語ってるわけではない。いろんな時代にいろんな想いを抱いて生きている人がいる。2020/04/30
更紗蝦
28
著者は1975年生まれなので、1972年生まれの私とは3歳しか違わず、しかもサブカル気質であるところが似ているので、著者が「黒歴史」として語っている「自己分析」には大変共感するところが多かったです。ただ、著者は音楽シーンからは距離を置いて二十代を過ごしたようで、サブカル気質の若者の右傾化に音楽が果たした影響については触れていないのが、少々残念でした。右翼的な雰囲気をロックに組み込んで注目された『東京事変』を新鮮に感じて、それをきっかけに右翼的なモノへの抵抗が薄れていった人は、少なくなかったはずです。2020/09/18
ophiuchi
19
どの対談も面白かったが、「自己責任」で個人を責めることはは江戸時代から続いているという話が、現在の新型コロナ感染症での「自粛」に直接つながっていて、この先が怖いと思わずにいられなかった。2020/05/09
ひと
18
生まれたときから団塊ジュニア世代として括られ、ひたすら競争させられてきた認識はありました。自分がロスジェネ世代という認識は弱かったですが、たまたま運良く世の中の変化に振り落とされずに泳いでこられただけなようです。当時は受験や就職、結婚など、その都度悩みながら目の前の問題に自分なりに向き合っていました。それらが過去となり、改めて起きていた事象を客観的に検討できるようになってきたのだな、だけど何かするにしても遅すぎたんだなと感じます。でも、人生はまだ先があるので諦めずにこれからできることはやっていきたいです。2024/10/25
呼戯人
15
1970年代から1980年代初めにかけて生まれて、バブルが弾けた後の就職氷河期に青春を送った人々の人生を対談で描いている。大学に勤めている人が3人、そして高円寺で飲み屋を経営しながら、反原発デモや主にアジア圏の人々と交友関係を作り、自己主張をしている人の面白い人生を描く。中でも驚きは、自己責任という考え方が新自由主義だけではなく日本の江戸時代の家と村システムの中から連綿と続く心性であったことを突き止めた研究者の主張である。それはなんと1950年代まで続いていた日本人の心性なのだそうである。2021/06/01