肝門部の立体外科解剖

肝門部の立体外科解剖

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  • サイズ A4判/ページ数 168p/高さ 30cm
  • 商品コード 9784871513128
  • NDC分類 491.147
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 肝門部は左右門脈や肝管が分岐合流し、またそれに動脈が複雑に絡み合って走行する領域である.またこれらの主要脈管はhilar plate内を別々に走行した後、肝実質内へ三者が一体となったグリソン系脈管として流入するとされる.しかし特に尾状葉や内側区域については、肝管や門脈が別々に流入することがあることも明らかとなっている.これら肝門部の解剖は各人によって異なり、きわめて複雑である.この肝門部の解剖は先人により多くの優れた研究がなされてきたが、これらは死体解剖材料を用いた研究であり、臨床で経験する解剖学的事実と合致しない例も経験されるようになった.近年、画像診断の進歩により体内臓器の立体画像が得られるようになり、従来の研究手法とは異なる立場からの解剖学的研究が可能となった.また肝臓外科に肝をSIからSVIIIまでに区分けされるCouinaudのsector(segment)が導入されてから、臨床に大いに役立つようになった.しかしながら従来の日本の肝区域の標準は、門脈Segmentationの考えに立脚したHealyの4区域であったため、その亜分類としてCouinaudの領域が用いられている傾向があった.しかし日本における肝門部領域癌治療の進歩により尾状葉の重要性が認識されるにつれ、Couinaudの1989年の背側肝(dorsal liver)とその延長にある1994年のsegmentIXが発表されると、Healyの区域との混同がみられるようになってきた.特に公文によりその臨床的重要性が明らかとされた尾状葉paracaval portionと、背側肝であるsegmentIXとが混同されるようになり、臨床現場で大混乱が生じている.そこで、現在我々が行っているangio CTや胆管造影CTから再構成した立体画像と、最新のCASTを用いた肝門部の脈管解剖を臨床的立場から明らかにしたいと考えた.また特に「背側肝」の立場に立脚した研究と、「尾状葉」の立場に立脚した研究を対比することにより、両者の違いを明らかにし、臨床における混乱を解消したいと考え本書が企画された.本書は長年私と研究を共にした仲間の努力の結晶でもある.本書が肝門部の臨床に大いに貢献し、多くの患者が救命できることを期待したい.    

《目次》
I.肝門部の胆管、門脈、動脈の走行/1.肝門部の動脈と門脈の分岐様式/2.肝門部胆管の合流形式/3.肝門部のplate system
II.尾状葉、背側肝(dorsal liver)/1.尾状葉と背側肝(dorsal liver、 dorsal sector)/2.尾状葉の門脈/3.尾状葉の胆管(胆管造影CTとその立体画像から)/4.尾状葉の動脈
5.Dorsal liveの門脈枝(肝鋳型標本から)/6.Dorsal liveの胆管枝(肝鋳型標本から)
III.左肝管左門脈/左肝管と左門脈の関係(胆管Angio CTから)
IV.内側区域/1.肝左内側区域の胆管/2.肝左内側区域の門脈
V.前区域胆管/肝右前区域
VI.後区域胆管/後区域の胆管
VII.CT立体画像と肝鋳型標本からみた肝門部解剖の相違点-尾状葉と背側肝-
司 会:竜  崇正
討論者:石山 秀一、趙  明浩
VIII.肝門部胆管癌治療症例/-画像読影による治療方針の決定と術式-
司 会:竜  崇正
討論者:石山 秀一、小西  大、趙  明浩

内容説明

本書は、現在著者らが行っているangioCTや胆管造影CTから再構成した立体画像と、最新のCASTを用いた肝門部の脈管解剖を臨床的立場から明らかにする。また特に「背側肝」の立場に立脚した研究と、「尾状葉」の立場に立脚した研究を対比することにより、両者の違いを明らかにし、臨床における混乱を解消する。

目次

1 肝門部の胆管、門脈、動脈の走行
2 尾状葉、背側肝(dorsal liver)
3 左肝管左門脈
4 内側区域
5 前区域胆管
6 後区域胆管
7 CT立体画像と肝鋳型標本からみた肝門部解剖の相違点―尾状葉と背側肝
8 肝門部胆管癌治療症例―画像読影による治療方針の決定と術式

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